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台風24号で大規模停電 生活を直撃

強風で倒壊したとみられる豊橋市二川宿本陣資料館駐車場出入口脇の塀=同市二川町で
強風で倒壊したとみられる豊橋市二川宿本陣資料館駐車場出入口脇の塀=同市二川町で

 非常に強い台風24号が30日深夜、東三河に最接近し、猛烈な風雨が被害をもたらした。けが人が報告されたほか、各地で停電が起き、豊橋市内は全世帯のおよそ8割にあたる世帯で発生、大規模となった。1日朝の通勤、通学、日常生活にも影響を及ぼし、信号機の停止などで交通渋滞が起きたほか、臨時休校する学校も多かった。停電が復旧せず、店舗も休業、農業も被害が出ており、経済的な損害が大きくなりそうだ。

 各地で倒木や電線が切れたり、電柱が倒れたりする被害が出た。
 豊橋市内は最大で約13戸が停電し、1日も多くの地域で停電が続いた。停電などの影響で市内の小学校27校、中学校4校などが臨時休校の措置を取った。
 停電の影響で運行を見合わせていた豊橋鉄道市内線は、1日午後に一部区間で運行を始め、同4時50分以降、全線で通常通りの運転を再開。豊鉄路線バスも、交通信号停止のため運転を見合わせていたが、午後5時以降、安全が確認できた路線の運行を再開した。豊鉄渥美線は午前8時半に新豊橋~大清水駅間で、午後0時45分に大清水~三河田原間の運転を再開した。
 市民生活にも大きな影響が出た。車は速度を落としながら慎重に走り、信号が消えた交差点では警察官が交通整理に追われた。
 食料品を扱うスーパーやコンビニエンスストアも、レジが使えないなどで余儀なく休業。生鮮食品を処分せざるを得ず、スーパーの関係者は「現場はてんやわんや。大きな損害」と嘆く。
 停電の中、店を開けていたコンビニエンスストアでは、店員が対応に追われた。おにぎりやパンなどすぐに食べられる食料品は棚から姿を消し、電池やスマートフォン用のモバイルバッテリーなどを買い求める人が列をなした。レジが使えないため、商品の置場まで値段を確認しにいき、電卓を使いながら会計した。
 停電により、市内の高層住宅で水道が使えず、市は上下水道局などで給水支援を実施、市役所などで備蓄食料を配布している。
 豊川市でも一時4万3000戸以上と広い範囲で停電した。災害対策本部が置かれた市役所でも30日午後10時45分から1日午前2時過ぎまで停電。職員は、端末機器や非常用電源で情報収集を続けた。復旧が遅れた御津支所と小坂井支所は1日、業務を取りやめた。
 田原市内は最大で約2万6千戸が停電。多くの地域で停電が続き、市内の小学校18校、中学校6校全てが臨時休校した。市役所も夜間から早朝にかけ停電していたが、朝方に復旧した。

避難所に大勢の市民

 開設された避難所には、豊橋市が最多113世帯181人。田原市は最多で93世帯144人。三河湾に面する豊川市御津町では高潮を想定して避難勧告が発令され、臨時で開設された御津中学校などに56世帯127人が避難。心配された高潮被害はなかった。
 豊川(とよがわ)の水位上昇に伴い霞堤地区にも避難勧告が出て、合わせて市内13の避難所に最大で72世帯149人が身を寄せた。
 蒲郡市は市内全域に対し、避難準備・高齢者避難開始を発令。避難所を開設し、1日午前4時52分の警報解除までに105世帯163人が避難した。新城市も市内全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令。同11時半ごろには、土砂災害警戒情報の発表を受けて鳳来西部や作手地区に緊急の避難指示、豊川の水位上昇に伴って1日午前0時過ぎには豊島地区に注意喚起を行った。市によると、六つの避難所に6世帯15人が避難した。
(取材班)

 非常に強い台風24号が30日深夜、東三河に最接近し、猛烈な風雨が被害をもたらした。けが人が報告されたほか、各地で停電が起き、豊橋市内は全世帯のおよそ8割にあたる世帯で発生、大規模となった。1日朝の通勤、通学、日常生活にも影響を及ぼし、信号機の停止などで交通渋滞が起きたほか、臨時休校する学校も多かった。停電が復旧せず、店舗も休業、農業も被害が出ており、経済的な損害が大きくなりそうだ。

 各地で倒木や電線が切れたり、電柱が倒れたりする被害が出た。
 豊橋市内は最大で約13戸が停電し、1日も多くの地域で停電が続いた。停電などの影響で市内の小学校27校、中学校4校などが臨時休校の措置を取った。
 停電の影響で運行を見合わせていた豊橋鉄道市内線は、1日午後に一部区間で運行を始め、同4時50分以降、全線で通常通りの運転を再開。豊鉄路線バスも、交通信号停止のため運転を見合わせていたが、午後5時以降、安全が確認できた路線の運行を再開した。豊鉄渥美線は午前8時半に新豊橋~大清水駅間で、午後0時45分に大清水~三河田原間の運転を再開した。
 市民生活にも大きな影響が出た。車は速度を落としながら慎重に走り、信号が消えた交差点では警察官が交通整理に追われた。
 食料品を扱うスーパーやコンビニエンスストアも、レジが使えないなどで余儀なく休業。生鮮食品を処分せざるを得ず、スーパーの関係者は「現場はてんやわんや。大きな損害」と嘆く。
 停電の中、店を開けていたコンビニエンスストアでは、店員が対応に追われた。おにぎりやパンなどすぐに食べられる食料品は棚から姿を消し、電池やスマートフォン用のモバイルバッテリーなどを買い求める人が列をなした。レジが使えないため、商品の置場まで値段を確認しにいき、電卓を使いながら会計した。
 停電により、市内の高層住宅で水道が使えず、市は上下水道局などで給水支援を実施、市役所などで備蓄食料を配布している。
 豊川市でも一時4万3000戸以上と広い範囲で停電した。災害対策本部が置かれた市役所でも30日午後10時45分から1日午前2時過ぎまで停電。職員は、端末機器や非常用電源で情報収集を続けた。復旧が遅れた御津支所と小坂井支所は1日、業務を取りやめた。
 田原市内は最大で約2万6千戸が停電。多くの地域で停電が続き、市内の小学校18校、中学校6校全てが臨時休校した。市役所も夜間から早朝にかけ停電していたが、朝方に復旧した。

避難所に大勢の市民

 開設された避難所には、豊橋市が最多113世帯181人。田原市は最多で93世帯144人。三河湾に面する豊川市御津町では高潮を想定して避難勧告が発令され、臨時で開設された御津中学校などに56世帯127人が避難。心配された高潮被害はなかった。
 豊川(とよがわ)の水位上昇に伴い霞堤地区にも避難勧告が出て、合わせて市内13の避難所に最大で72世帯149人が身を寄せた。
 蒲郡市は市内全域に対し、避難準備・高齢者避難開始を発令。避難所を開設し、1日午前4時52分の警報解除までに105世帯163人が避難した。新城市も市内全域に避難準備・高齢者等避難開始を発令。同11時半ごろには、土砂災害警戒情報の発表を受けて鳳来西部や作手地区に緊急の避難指示、豊川の水位上昇に伴って1日午前0時過ぎには豊島地区に注意喚起を行った。市によると、六つの避難所に6世帯15人が避難した。
(取材班)

強風で倒壊したとみられる豊橋市二川宿本陣資料館駐車場出入口脇の塀=同市二川町で
強風で倒壊したとみられる豊橋市二川宿本陣資料館駐車場出入口脇の塀=同市二川町で

カテゴリー:社会・経済

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