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東三河8市町村と幸田町で台風農業被害43億円

台風24号で塩害にあい、苗が枯れたキャベツ畑=田原市内で
台風24号で塩害にあい、苗が枯れたキャベツ畑=田原市内で

 今年の夏から秋にかけて接近した三つの台風による農業関連被害額は、東三河8市町村と幸田町で43億円に上った。特に全国屈指の農業地帯・田原市では24億円以上の被害が発生。ビニールハウスなど施設の損傷のほか、9月30日に最接近した台風24号では、定植と重なった冬野菜のキャベツとブロッコリーに広範囲で塩害が起こり、今後の収量低下や販売単価高騰が不安視されている。
 「25年間農家をやっていて、ここまで追い込まれたことはない」と語るのは、田原市芦町のブロッコリー農家の男性(47)。
 今年の9月はもともと雨が多く、定植が遅れていた。そこに台風24号が直撃。畑の半分あたりまで植えていた小さな苗が、強風と巻き上がった海水をかぶり枯れた。今季の出荷に間に合わせようと、残った苗を懸命に植えた。
 市内では約1100軒でハウスが破損。赤羽根町のトマト生産者男性(47)の温室もガラスが割れ、海水が降り込み、トマト数十本を枯らせた。キャベツ畑も甚大な被害を受け、「こんなにひどい塩害被害は経験がない」と肩を落とす。
 男性の畑では、7月の台風12号でも温室が損壊し、収穫直前のメロンにガラスが刺さるなど、農作物に大きな被害が出た。度重なる台風被害に周囲の農家からは「やめたい」という声も出ているという。
 深刻な農業被害に田原、豊橋両市など東三河の自治体や農協などは10月中旬、国に被害への支援を求めたのに続き、今月7日には県へ要望した。
 国は台風24号の被害への支援を決めていて、大村秀章知事は「県も市町村と認識をひとつにして、万全の対応をしていきたい」とコメントした。
 ブロッコリー農家の男性は「暖冬なら成長が進むのも早いので、遅れが取り戻せるかもしれない。消費者に安心安全のものを届けるため、各農家はかなり努力して必死で戦っている。安定供給できるよう努めていく」と望みをつなぐ。
 豊橋市などは現在、被害を受けた農家らを対象として再建に向けた相談を受け付けている。
(飯塚雪)

 今年の夏から秋にかけて接近した三つの台風による農業関連被害額は、東三河8市町村と幸田町で43億円に上った。特に全国屈指の農業地帯・田原市では24億円以上の被害が発生。ビニールハウスなど施設の損傷のほか、9月30日に最接近した台風24号では、定植と重なった冬野菜のキャベツとブロッコリーに広範囲で塩害が起こり、今後の収量低下や販売単価高騰が不安視されている。
 「25年間農家をやっていて、ここまで追い込まれたことはない」と語るのは、田原市芦町のブロッコリー農家の男性(47)。
 今年の9月はもともと雨が多く、定植が遅れていた。そこに台風24号が直撃。畑の半分あたりまで植えていた小さな苗が、強風と巻き上がった海水をかぶり枯れた。今季の出荷に間に合わせようと、残った苗を懸命に植えた。
 市内では約1100軒でハウスが破損。赤羽根町のトマト生産者男性(47)の温室もガラスが割れ、海水が降り込み、トマト数十本を枯らせた。キャベツ畑も甚大な被害を受け、「こんなにひどい塩害被害は経験がない」と肩を落とす。
 男性の畑では、7月の台風12号でも温室が損壊し、収穫直前のメロンにガラスが刺さるなど、農作物に大きな被害が出た。度重なる台風被害に周囲の農家からは「やめたい」という声も出ているという。
 深刻な農業被害に田原、豊橋両市など東三河の自治体や農協などは10月中旬、国に被害への支援を求めたのに続き、今月7日には県へ要望した。
 国は台風24号の被害への支援を決めていて、大村秀章知事は「県も市町村と認識をひとつにして、万全の対応をしていきたい」とコメントした。
 ブロッコリー農家の男性は「暖冬なら成長が進むのも早いので、遅れが取り戻せるかもしれない。消費者に安心安全のものを届けるため、各農家はかなり努力して必死で戦っている。安定供給できるよう努めていく」と望みをつなぐ。
 豊橋市などは現在、被害を受けた農家らを対象として再建に向けた相談を受け付けている。
(飯塚雪)

台風24号で塩害にあい、苗が枯れたキャベツ畑=田原市内で
台風24号で塩害にあい、苗が枯れたキャベツ畑=田原市内で

カテゴリー:社会・経済

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