「現代の名工」に蒲郡の小田さん
モノづくりの分野で卓越した技能を持つ「現代の名工」に建築大工の小田紀充さん(75)=蒲郡市清田町=が、今年度の厚生労働大臣表彰受賞者に選ばれた。「まだまだ勉強しなければならないことがあるのに受賞して良いのかという思いはあります」と謙虚に語る。
中学卒業後、父の跡を継ごうと大工の道に。60年を迎える。部材を切る角度や屋根のこう配を求めて墨付けをするのに差し金が重要な役割をしていることを学んだ。「住宅の間取りまでできる。差し金を用いた規矩術(きくじゅつ)は奥深いです」と話す。
2005年からは全国的に木造建築の職人づくりを行う大工育成塾の指導棟梁に。10年間で3人を育てた。「大工になるきっかけづくりが必要です」と今後の業界へ提案する。
木造住宅を建てる際には施主の思いをくみとることを心掛ける。旧家から新居への移築、木材もその特長や見た目を選んで適材適所に配置する。施主だけでなく使う材料との「対話」も怠らない。「職人気質だけでなく“一緒になって良いものをつくりたい”という一心です」と説明する。使う木材の製材工程も見せるという。
「すべては完成して喜んでもらえるためにです。一番は住み心地が良いと言ってもらえることですよ」と笑顔で話す。
「まだまだ工具と木材を駆使していきたいですね」と生涯現役を掲げる。
(安藤聡)
モノづくりの分野で卓越した技能を持つ「現代の名工」に建築大工の小田紀充さん(75)=蒲郡市清田町=が、今年度の厚生労働大臣表彰受賞者に選ばれた。「まだまだ勉強しなければならないことがあるのに受賞して良いのかという思いはあります」と謙虚に語る。
中学卒業後、父の跡を継ごうと大工の道に。60年を迎える。部材を切る角度や屋根のこう配を求めて墨付けをするのに差し金が重要な役割をしていることを学んだ。「住宅の間取りまでできる。差し金を用いた規矩術(きくじゅつ)は奥深いです」と話す。
2005年からは全国的に木造建築の職人づくりを行う大工育成塾の指導棟梁に。10年間で3人を育てた。「大工になるきっかけづくりが必要です」と今後の業界へ提案する。
木造住宅を建てる際には施主の思いをくみとることを心掛ける。旧家から新居への移築、木材もその特長や見た目を選んで適材適所に配置する。施主だけでなく使う材料との「対話」も怠らない。「職人気質だけでなく“一緒になって良いものをつくりたい”という一心です」と説明する。使う木材の製材工程も見せるという。
「すべては完成して喜んでもらえるためにです。一番は住み心地が良いと言ってもらえることですよ」と笑顔で話す。
「まだまだ工具と木材を駆使していきたいですね」と生涯現役を掲げる。
(安藤聡)