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豊川幼児殺害事件 2度目の意見書提出を要請

 2002(平成14)年7月の豊川幼児殺害事件で有罪となり、弁護団が再審を請求している田邉雅樹受刑者に、有罪判決を下した名古屋高裁が2度目の意見書提出を要請していることが分かった。再審の条件となる意見書は4月にも提出しており、再提出の要請は異例。再審開始か、却下かの判断に注目が集まる。

 幼児殺害の自白から一転し、裁判では無実を訴え続けてきた田邉氏は、一度は無罪になるも逆転で有罪が確定。弁護団は検察が主張する“自白”の矛盾や無実を示す複数の証拠資料を提出し、2016年7月に高裁に再審を請求した。
 それから1年9カ月後の今年4月、田邉氏は高裁の要請に応じ、弁護団を通じて意見書を提出。事件とは「一切無関係」とし、取り調べでは怒鳴られたり、机を叩かれ「暴力を振るわれるのではないかと恐怖心が続き、心臓がドキドキして貧血を起こしたので、認めざるをえない状況になって虚偽の自白に至った」と主張。「否認したら無期懲役に近い判決を受けるぞ」と言われたとも訴えていた。
 その後、半年間動きはなかったが、10月になって高裁は12月中を期限に、再び意見書の提出を要請。再審手続きの条件となる意見書の再提出要請は極めて異例で、弁護団や守る会は今後の動向を注視している。
 模範囚として刑期を消化している田邉氏は、出所後は農業に携わりたい意向から、10月に大分刑務所から地元の福井刑務所に移送され、農業研修に励んでいる。当初、研修は3月までの予定だったが、来年9月までの約1年間に延期。福井県美浜町に住む両親とも定期的に面会している。
 この事件は目撃証言や物的証拠が一切なく、田邉氏の“自白”の信用性が争点。弁護団は高裁に検察も交えた三者協議の開催や、裁判官に事件現場の視察を求めている。また、守る会は豊橋駅前で毎月宣伝活動を行い、再審開始を求める署名は1万3000通を超えている。
(由本裕貴)

 2002(平成14)年7月の豊川幼児殺害事件で有罪となり、弁護団が再審を請求している田邉雅樹受刑者に、有罪判決を下した名古屋高裁が2度目の意見書提出を要請していることが分かった。再審の条件となる意見書は4月にも提出しており、再提出の要請は異例。再審開始か、却下かの判断に注目が集まる。

 幼児殺害の自白から一転し、裁判では無実を訴え続けてきた田邉氏は、一度は無罪になるも逆転で有罪が確定。弁護団は検察が主張する“自白”の矛盾や無実を示す複数の証拠資料を提出し、2016年7月に高裁に再審を請求した。
 それから1年9カ月後の今年4月、田邉氏は高裁の要請に応じ、弁護団を通じて意見書を提出。事件とは「一切無関係」とし、取り調べでは怒鳴られたり、机を叩かれ「暴力を振るわれるのではないかと恐怖心が続き、心臓がドキドキして貧血を起こしたので、認めざるをえない状況になって虚偽の自白に至った」と主張。「否認したら無期懲役に近い判決を受けるぞ」と言われたとも訴えていた。
 その後、半年間動きはなかったが、10月になって高裁は12月中を期限に、再び意見書の提出を要請。再審手続きの条件となる意見書の再提出要請は極めて異例で、弁護団や守る会は今後の動向を注視している。
 模範囚として刑期を消化している田邉氏は、出所後は農業に携わりたい意向から、10月に大分刑務所から地元の福井刑務所に移送され、農業研修に励んでいる。当初、研修は3月までの予定だったが、来年9月までの約1年間に延期。福井県美浜町に住む両親とも定期的に面会している。
 この事件は目撃証言や物的証拠が一切なく、田邉氏の“自白”の信用性が争点。弁護団は高裁に検察も交えた三者協議の開催や、裁判官に事件現場の視察を求めている。また、守る会は豊橋駅前で毎月宣伝活動を行い、再審開始を求める署名は1万3000通を超えている。
(由本裕貴)

カテゴリー:社会・経済

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