文字の大きさ

「名刺交換こども支援プロジェクト」を立ち上げ

プロジェクトを立ち上げた吉村さん㊨とデザイナーの渡邊さん=豊橋市江島町で
プロジェクトを立ち上げた吉村さん㊨とデザイナーの渡邊さん=豊橋市江島町で
「ミセス日本グランプリ」の最終審査に出場する吉村さん(提供)
「ミセス日本グランプリ」の最終審査に出場する吉村さん(提供)

 東三河の児童養護施設と乳児院を支援しようと、豊橋市江島町の「オーガニックサロン カハラ」オーナーの吉村恵子さん(43)が「名刺交換こども支援プロジェクト」を立ち上げた。名刺製作費の一部を支援金として募り、施設に届ける仕組み。2児の母親でもある吉村さんは、児童虐待を防ぎ、全ての子どもたちが希望の持てる未来を願う。
 約300人―。東三河の施設で暮らす子どもの数だ。五つの児童養護施設と乳児院には0~19歳の子どもたちが、虐待や経済的な理由などで家族と離れて暮らす。
 増え続ける児童虐待の半数が実母によるもので、原因の一つとして考えられる「産後うつ」は、およそ10人に1人の妊婦がかかると言われている。
 エステティシャンの吉村さんは7年ほど前から、豊橋、豊川両市の産婦人科で、専属アロマケアセラピストとして母親たちの産後ケアを行っており、「産後うつ」が他人事ではなかった。「核家族化が進み、母親が1人で育てざるを得ない環境の中、不安や悩みを抱え込んでいる人は多い」と話す。
 虐待を防ぎたいという思いを募らせる中、40歳で出産したのを機に、社会貢献活動に力を入れることを決意。市内の児童養護施設を慰問し、クリスマスプレゼントを渡すボランティアを始めたが、子どもたちの無邪気な笑顔を前に「同じ年頃の子どもを持つ母親として心が痛かった」と振り返る。
 施設へ行き、子どもたちが置かれている現状を知る中で、特に退所する子どもたちへの支援の必要性を痛感。孤立、将来への不安など子どもたちを取り巻く問題を解決するため、注目したのは常に行われる名刺交換だった。
 「大人の理解と地域の温かいつながりをつくりたい」と考え、日常的な行為が支援になる一方で、関心がない人もロゴマークつきの名刺を受け取ることで、興味が沸くきっかけになることを期待する。
 名刺1枚につき10円が寄付される仕組みで、名刺デザインはエイシンデザインのデザイナー渡邊紘未さん(31)=豊橋市=が担当する。
 今年夏、より多くの協力を得るため、社会貢献活動に力を入れる「ミセス日本グランプリ」への挑戦を決めた吉村さん。最終審査のスピーチに思いを込め、10月末、心身の美を備えるファイナリスト10人に見事選ばれ、横のつながりもできた。
 吉村さんは「個人でできることは小さいけれど、それが合わされば大きな力になる。人と人とつながり、大きく温かな地域の輪で、子どもたちや施設にとって本当に必要な支援をしていきたい」と話している。
 支援プロジェクトに関する問い合わせは、メールアドレス(kodomo@keiko‐y.org)へ。
(飯塚雪)

 東三河の児童養護施設と乳児院を支援しようと、豊橋市江島町の「オーガニックサロン カハラ」オーナーの吉村恵子さん(43)が「名刺交換こども支援プロジェクト」を立ち上げた。名刺製作費の一部を支援金として募り、施設に届ける仕組み。2児の母親でもある吉村さんは、児童虐待を防ぎ、全ての子どもたちが希望の持てる未来を願う。
 約300人―。東三河の施設で暮らす子どもの数だ。五つの児童養護施設と乳児院には0~19歳の子どもたちが、虐待や経済的な理由などで家族と離れて暮らす。
 増え続ける児童虐待の半数が実母によるもので、原因の一つとして考えられる「産後うつ」は、およそ10人に1人の妊婦がかかると言われている。
 エステティシャンの吉村さんは7年ほど前から、豊橋、豊川両市の産婦人科で、専属アロマケアセラピストとして母親たちの産後ケアを行っており、「産後うつ」が他人事ではなかった。「核家族化が進み、母親が1人で育てざるを得ない環境の中、不安や悩みを抱え込んでいる人は多い」と話す。
 虐待を防ぎたいという思いを募らせる中、40歳で出産したのを機に、社会貢献活動に力を入れることを決意。市内の児童養護施設を慰問し、クリスマスプレゼントを渡すボランティアを始めたが、子どもたちの無邪気な笑顔を前に「同じ年頃の子どもを持つ母親として心が痛かった」と振り返る。
 施設へ行き、子どもたちが置かれている現状を知る中で、特に退所する子どもたちへの支援の必要性を痛感。孤立、将来への不安など子どもたちを取り巻く問題を解決するため、注目したのは常に行われる名刺交換だった。
 「大人の理解と地域の温かいつながりをつくりたい」と考え、日常的な行為が支援になる一方で、関心がない人もロゴマークつきの名刺を受け取ることで、興味が沸くきっかけになることを期待する。
 名刺1枚につき10円が寄付される仕組みで、名刺デザインはエイシンデザインのデザイナー渡邊紘未さん(31)=豊橋市=が担当する。
 今年夏、より多くの協力を得るため、社会貢献活動に力を入れる「ミセス日本グランプリ」への挑戦を決めた吉村さん。最終審査のスピーチに思いを込め、10月末、心身の美を備えるファイナリスト10人に見事選ばれ、横のつながりもできた。
 吉村さんは「個人でできることは小さいけれど、それが合わされば大きな力になる。人と人とつながり、大きく温かな地域の輪で、子どもたちや施設にとって本当に必要な支援をしていきたい」と話している。
 支援プロジェクトに関する問い合わせは、メールアドレス(kodomo@keiko‐y.org)へ。
(飯塚雪)

プロジェクトを立ち上げた吉村さん㊨とデザイナーの渡邊さん=豊橋市江島町で
プロジェクトを立ち上げた吉村さん㊨とデザイナーの渡邊さん=豊橋市江島町で
「ミセス日本グランプリ」の最終審査に出場する吉村さん(提供)
「ミセス日本グランプリ」の最終審査に出場する吉村さん(提供)

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR