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豊橋章南中で「いのちの日」講演会

「大切ないのちのお話」を演題に話す城田所長=章南中学校で
「大切ないのちのお話」を演題に話す城田所長=章南中学校で

 静岡県浜松市北区の浜名湖で9年前、カッターボート訓練中に転覆事故で亡くなった豊橋市立章南中学校1年の西野花菜さん(当時12歳)の冥福を祈り、同中学校(宮林秀和校長)は18日、「豊橋・いのちの日」の取り組みの一環として、当時救助に関わった静岡県立三ヶ日青年の家の城田守所長を講師に「大切ないのちのお話」と題した講演会を開いた。
 現場となった同区三ヶ日町の同青年の家には、花菜さんの一周忌に建てられた慰霊像があり、命日の6月18日は毎年、関係者が献花、黙とうを行い、花菜さんを追悼している。
 続いて、城田氏はまず、「未来へ」という曲を浜松市立三ヶ日中学校の1年生が歌ったDVDを披露し、「学校は違えど、花菜さんと同じ中1になった生徒が歌ってくれた」と話した。広い宇宙の中で生かされている奇跡や命への感謝などが歌われ、生徒たちは西野さんへの思いを込めて歌ったという。
 城田氏は天竜川漁業組合での経験から、アマゴとサツキマスのエピソードを披露した。
 アマゴはサケ科の魚で、海に出ないで一生を終えるが、同じアマゴでも海に出て「サツキマス」になるものがいて、サツキマスは、アマゴの倍以上の大きさで銀色に輝き、上流に戻り産卵を終えるとアマゴの色に戻るという。元は同じ魚のアマゴとサツキマスの一生を紹介し「人生いろいろ」だと語った。
 自然界では1%も生き残れない魚を、ほぼ100%育てる方法にも触れ、ペットボトルに水と卵を3~4個入れ、冷蔵庫に11~2月頃まで入れておくとメダカ位の大きさに育つという。名前まで付けて育てた稚魚を川に放流する時には、命の大切さを感じ、涙が出たという。
 講演の最後に「事故はとても残念でたまらないが、これからも命の大切さを考えていくことを章南中のすばらしい伝統にしてほしい」と生徒らに呼び掛けた。
 午前中は、全校集会での黙とうや学級ごとの道徳の授業の後、花菜さんへのメッセージを取り付けた黄色い風船をグラウンドから大空に飛ばす「バルーンリリース」が、約260人の生徒らによって行われた。
 宮林校長は「職員が西野さんの命を守れなかったことを重く受け止め、2度と繰り返さず、西野さんの出来事を忘れない決意」と誓った。
(小島幸子)

 静岡県浜松市北区の浜名湖で9年前、カッターボート訓練中に転覆事故で亡くなった豊橋市立章南中学校1年の西野花菜さん(当時12歳)の冥福を祈り、同中学校(宮林秀和校長)は18日、「豊橋・いのちの日」の取り組みの一環として、当時救助に関わった静岡県立三ヶ日青年の家の城田守所長を講師に「大切ないのちのお話」と題した講演会を開いた。
 現場となった同区三ヶ日町の同青年の家には、花菜さんの一周忌に建てられた慰霊像があり、命日の6月18日は毎年、関係者が献花、黙とうを行い、花菜さんを追悼している。
 続いて、城田氏はまず、「未来へ」という曲を浜松市立三ヶ日中学校の1年生が歌ったDVDを披露し、「学校は違えど、花菜さんと同じ中1になった生徒が歌ってくれた」と話した。広い宇宙の中で生かされている奇跡や命への感謝などが歌われ、生徒たちは西野さんへの思いを込めて歌ったという。
 城田氏は天竜川漁業組合での経験から、アマゴとサツキマスのエピソードを披露した。
 アマゴはサケ科の魚で、海に出ないで一生を終えるが、同じアマゴでも海に出て「サツキマス」になるものがいて、サツキマスは、アマゴの倍以上の大きさで銀色に輝き、上流に戻り産卵を終えるとアマゴの色に戻るという。元は同じ魚のアマゴとサツキマスの一生を紹介し「人生いろいろ」だと語った。
 自然界では1%も生き残れない魚を、ほぼ100%育てる方法にも触れ、ペットボトルに水と卵を3~4個入れ、冷蔵庫に11~2月頃まで入れておくとメダカ位の大きさに育つという。名前まで付けて育てた稚魚を川に放流する時には、命の大切さを感じ、涙が出たという。
 講演の最後に「事故はとても残念でたまらないが、これからも命の大切さを考えていくことを章南中のすばらしい伝統にしてほしい」と生徒らに呼び掛けた。
 午前中は、全校集会での黙とうや学級ごとの道徳の授業の後、花菜さんへのメッセージを取り付けた黄色い風船をグラウンドから大空に飛ばす「バルーンリリース」が、約260人の生徒らによって行われた。
 宮林校長は「職員が西野さんの命を守れなかったことを重く受け止め、2度と繰り返さず、西野さんの出来事を忘れない決意」と誓った。
(小島幸子)

「大切ないのちのお話」を演題に話す城田所長=章南中学校で
「大切ないのちのお話」を演題に話す城田所長=章南中学校で

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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