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新城で黒沢田楽を紹介する集い

田楽の一部「もどき」を舞う荻野裕太さん=新城市七郷一色黒沢で
田楽の一部「もどき」を舞う荻野裕太さん=新城市七郷一色黒沢で

 新城市七郷一色の黒沢地区で5日、国指定重要文化財「黒沢田楽」を紹介する集いが行われた。本来ならば毎年2月第1日曜日に約30番の舞が披露されるが、舞手となる住民が喪中となったり、高齢化による体調不良で踊ることができなかった。地区外の青年が一部の舞を披露したり、映像で案内した。後継者問題による伝承の危機に直面している。
 黒沢田楽は、室町時代の中世に盛んだった五穀豊穣(じょう)や集落の繁栄を願う田楽として静岡県境に位置する標高300~500㍍付近の山腹にわずか7戸の集落で代々受け継がれている。毎年旧正月6日に行われてきた。第2次世界大戦により舞手らが召集されたために一時中止し、1953(昭和28)年に復活。78年5月22日、国の重要無形民俗文化財に指定された。ここ数年は舞手に保存会の荻野豊会長(72)ら3人が舞手を担ってきた。
 今回は荻野さんの母が亡くなり喪中となったほか、70代の男性2人も体調不良となり、地元住民による舞手がいない事態に。愛好者たちが事前準備をして「田楽を紹介する集い」として行った。約60人が見物に訪れた。
 過去3回舞手として一部分を担った別地区・六本松出身の荻野裕太さん(29)=豊川市=が小学校時代に習った経験を生かして木刀を持って舞う「もどき」を披露。地元の東陽小学校児童9人も囃子(はやし)として協力した。また普段行われる舞をビデオ映像紹介したほか、愛好者たちが舞の1つ「こま」を再現する演技を見せた。
 荻野会長は「地元住民が舞わなければならず、存続が危ぶまれる。何とかして考えていきたい」と話した。
(安藤聡)

 新城市七郷一色の黒沢地区で5日、国指定重要文化財「黒沢田楽」を紹介する集いが行われた。本来ならば毎年2月第1日曜日に約30番の舞が披露されるが、舞手となる住民が喪中となったり、高齢化による体調不良で踊ることができなかった。地区外の青年が一部の舞を披露したり、映像で案内した。後継者問題による伝承の危機に直面している。
 黒沢田楽は、室町時代の中世に盛んだった五穀豊穣(じょう)や集落の繁栄を願う田楽として静岡県境に位置する標高300~500㍍付近の山腹にわずか7戸の集落で代々受け継がれている。毎年旧正月6日に行われてきた。第2次世界大戦により舞手らが召集されたために一時中止し、1953(昭和28)年に復活。78年5月22日、国の重要無形民俗文化財に指定された。ここ数年は舞手に保存会の荻野豊会長(72)ら3人が舞手を担ってきた。
 今回は荻野さんの母が亡くなり喪中となったほか、70代の男性2人も体調不良となり、地元住民による舞手がいない事態に。愛好者たちが事前準備をして「田楽を紹介する集い」として行った。約60人が見物に訪れた。
 過去3回舞手として一部分を担った別地区・六本松出身の荻野裕太さん(29)=豊川市=が小学校時代に習った経験を生かして木刀を持って舞う「もどき」を披露。地元の東陽小学校児童9人も囃子(はやし)として協力した。また普段行われる舞をビデオ映像紹介したほか、愛好者たちが舞の1つ「こま」を再現する演技を見せた。
 荻野会長は「地元住民が舞わなければならず、存続が危ぶまれる。何とかして考えていきたい」と話した。
(安藤聡)

田楽の一部「もどき」を舞う荻野裕太さん=新城市七郷一色黒沢で
田楽の一部「もどき」を舞う荻野裕太さん=新城市七郷一色黒沢で

カテゴリー:社会・経済

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