トヨタ自動車の服部も五輪出場内定

　「服部、頑張れ、行け!!」。五輪出場内定を勝ち取った服部勇馬（25）＝トヨタ自動車＝の練習拠点がある田原市の赤羽根文化ホールではこの日、市街地で開催中の「田原祭り」の勢いを東京へ届けようとばかりに、市民ら約１００人が大声援を送った。
　同市を練習拠点にするトヨタ自動車陸上長距離部からは、日本記録保持者の大迫傑（28）＝ナイキ＝らとともに「４強」として優勝候補に名前が挙がっていた服部をはじめ、宮脇千博（28）、藤本拓（30）、堀尾謙介（23）らＭＧＣ最多の４選手が出場した。
　午前８時50分のスタート時にスクリーンにテレビ中継が映らないアクシデントに見舞われながらも、観客は事務所の小さなブラウン管テレビやスマートフォンを片手に観戦。40分後に映像が復活すると、「ＴＯＹＯＴＡ」と書かれたバルーンをたたきながら「頑張れ」とエールを送った。
　37㌔すぎ、序盤から独走していた設楽悠太（27）＝Ｈｏｎｄａ＝を服部ら２位集団が飲み込むと、会場もヒートアップ。39㌔過ぎから、服部と中村匠吾（26）＝富士通、大迫の争いになると、「見てられない」と顔を覆う人も。最後は、服部が大迫とのデッドヒートを制して２位でフィニッシュし、割れんばかりの歓声と拍手が会場に響いた。
　選手らが勤務する田原工場からは、バス４台１４０人の応援団が現地へ。赤羽根文化ホールにも、４選手の姿がデザインされたポロシャツを着た後援会メンバーや同僚が駆け付けた。同工場に勤める紫藤真美さん（30）は「（服部選手は）ラストスパートがつらそうに見えたけれど、絶対に負けないと最後まで信じていました。監督やマネジャーの頑張りが結果で出たことが本当にうれしい」と感激の涙を流し、長女の虹七ちゃん（７）は「オリンピックで金メダルを取ってほしい」と笑顔で語った。

　山下政良田原市長のコメント
　日本のトップランナーたちのし烈な争いの中で、東京五輪への出場内定、本当におめでとうございます。ここ田原の地で修練を重ね、大舞台への切符をつかみ取ったことは田原市民の皆さんにとって喜びでもあり、大きな励みとなったことでしょう。今後十分に準備を重ね、本番でのさらなる活躍を市民の皆さんと共に願っています。