豊橋で観光地域づくりへ講演会とパネル討論

　「いいじゃん！　東三河！－みんなでやろまい！　観光地域づくり！」の講演会とパネルディスカッションが５日、豊橋市公会堂で開かれた。国内外の観光客に向けた東三河の取り組みとして、戦略を練ることや、発信力の強化などが挙げられた。
　自然や文化などの地域資源、観光資源などが豊かな東三河。観光地域づくりを通し、地域の活性化、雇用の促進、経済振興につなげようと、豊橋青年会議所（村井裕一郎理事長）が企画した。８月に公募の50人で東三河の観光資源を巡るツアーを実施。その後、参加者から意見を集めており、これらをもとに実施した。
　パネルディスカッションでは、ツアー参加者の代表が提案、取り組みなどを発表。これらを受け、パネリスト４人が意見、考えを述べた。国内観光客への取り組みとして、ＪＴＢ名古屋事業部の川上千尋氏は「東三河の強み、弱み、脅威などを分析。ターゲットを明らかにして、東三河の観光戦略を発信していく」と述べ、調査については「豊橋に来た人から街頭でアンケートを取ることと、ビッグデータによるアナログ、デジタルの組み合わせが有効だと思う」と述べた。
　情報発信に関し、豊橋で地域おこし活動をしている女子大学生の大槻紋美さんは「思わず発信したくなるスポット、食べ物のＰＲが大切。女子学生は、インスタ映えがあるかないかで、駅を降りるかどうか決める」と指摘した。
　外国人観光客に対しては、川上氏が外国の訪れている飛騨高山の事例を挙げ「高山だけでなく、金沢にかけて『ミシュラン三ツ星街道』をつくっている。広域の観光連携で、東三河も三遠南信連携が有効」と助言した。
　今後の観光地域づくりの進め方として、講演会の講師を務めた流通経済大学国際観光学科特任教授の辻野啓一氏は「刺さるようなキラーコンテンツが必要。例えば（新城市の）鳥のブッポウソウ。とがったコンテンツを探す」と述べた。
　講演では、日本エコツーリズム協会の理事も務める辻野氏が「エコツーリズムは地域創生に有効。自然だけでなく、その地域の生活、文化も含む。どこも立派な観光地になりうる」とし、「宝を探し磨き、誇る、自信を持つこと」と話した。
　主催した豊橋青年会議所側は、今後も観光地域づくりを考えるため、有志で「東三河の観光地域づくりを考える会」を発足させることを発表した。
（中村晋也）