歴史ある蒲郡クラシックホテル 宿泊の文豪を調査

　蒲郡クラシックホテル（蒲郡市竹島町、安川貴也統括支配人）の「歴史を探る会」は７日、第３回会合を行った。同じ竹島界隈にあった高級料理旅館常磐館に宿泊した文豪たちを調べたり、情報共有していくことを確認した。
　ホテルは、１９３４（昭和９）年に繊維商社のタキヒョー５代目・滝信四郎氏が出資していた常磐館によって創業された「蒲郡ホテル」が前身。80年の廃業後、蒲郡市の所有を経て、87年に西武グループが買収。以来、蒲郡プリンスホテルとして営業。２０１２年３月30日に呉竹荘（浜松市）に事業継承し、蒲郡クラシックホテルと名称変更した。
　探る会は、昨年２月に発足。同ホテル従業員や蒲郡市観光商工課、市立図書館、博物館学芸員、海辺の文学記念館職員、蒲郡ホテル時代に支配人だった三村三時さんの次女・美千子さん、市観光ボランティアガイドの会の中野亘副会長がメンバーに情報交換している。
　この日の会合では図書館職員から常磐館や蒲郡ホテル、竹島に関連した描写をしている文学作品60点以上あることが紹介された。旧常磐館跡地にある海辺の文学記念館には文豪たちに関する問い合わせがあることも報告された。
　今後は常磐館に宿泊した菊池寛や谷崎潤一郎など文豪たちの作品をさらに精査し、当時の情景描写に迫ることができるよう調査していくことや宿泊、来訪者リストを作成していくという。

（安藤聡）