新型コロナで相次ぐキャンセル

東三河でも経済へ大きなダメージ

　新型コロナウイルスの感染拡大で、観光や飲食を中心に、さまざまな産業へ影響が出ている。影響が長引けば、地域経済へ大きなダメージになりそ
　日帰り・宿泊のバス旅行などの企画や、団体バスツアーを行っている豊鉄観光サービス（豊橋市）では厳しい状況になっている。３月については、さまざまな団体から依頼を受ける団体バスツアーは、大半がキャンセル。同社が企画した日帰り・宿泊バス旅行の企画もキャンセルが相次ぎ、出発できる便が大幅に減少している。同社では「打つ手がない状況。１日でも早く、コロナウイルスの影響を収まるのを待つしかない」と話す。
　飲食業も厳しく、中でも宴会や法事への影響が大きい。豊橋市内で宴会を中心に営業をしている店では、ほとんどの宴会でキャンセルの連絡が入った。「今の状況が続けば、３月の売上は前年の半分にも遠く届かない。ランチやディナーの一般客だけでは、とてもカバーできない」と厳しい表情。別の飲食店では３月だけでなく、４月、５月の予約にもキャンセルが出ており事態は深刻だ。
　インバウンド関連も厳しく、蒲郡市では中国人旅行客の宿泊に力を入れていた旅館「冨士見荘」が廃業に追い込まれた。多くのホテルも影響が出ており、厳しい状況になっている。またインバウンド客が大半を占める化粧品販売店や薬局では休業する店舗もあるほど。
　多くのイベントが中止になっている影響も大きい。様々なイベントに出店して食べ物を販売している業者の中には、資金繰りに行き詰っている店もあるほど。「このままでは死活問題」の声が聞こえてくる。
　製造業では、サービス業ほど今のところの影響は出ていないが、出張に行けない、今後のサプライチェーンの動向が心配などの声が。専用工作機械メーカー「西島」（豊橋市）の西島豊社長は「影響が長引けば、サプライチェーンの一部が崩れる可能性がある。状況を注視しているところ」と心配する。
（竹下貴信）