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8割が「患者減った」 県保険医協会が調査

前年同時期比の外来患者数(3月診療分)
前年同時期比の外来患者数(3月診療分)

 県保険医協会は22日、新型コロナウイルス感染拡大が、医療機関に及ぼす影響をまとめた。回答のうち8割が「患者が減った」と答えており、医院経営への不安も出ている。また、寄せられたコメントからは医療器具の不足が深刻化していることも改めて浮き彫りになった。
 調査は入会する約9150人の医師、歯科医師を対象に実施、今月17日までに回答のあった1758件を集計した。
 前年同時期と比べ、患者が減ったかを尋ねたところ、80・1%にあたる1377件が「減った」と回答した。「変わらない」は17・8%。「増えた」は2%だった。3月診察分で、前年より外来患者が減った割合を聞いたところ、「1割超2割以下」が33・1%でトップ。「2割超3割以下」が22・9%、「1割以下」が22・6%と続いた。
 患者が減った割合を診療科別に聞いたところ、「耳鼻咽喉科」が最も多く39%の減少。次いで「小児科」が37%、「眼科」が26%などとなっていた。保険医協会事務局は「患者の受診抑制が起きている。耳鼻咽喉科の患者は『今、急いで受けなくても』と考える人、風邪の患者がいるので『うつされたくない』という心理が働いている。小児科も同じで、自分の子どもに少しぐらい熱があっても、病気をうつされるよりはと、病院に来なくなっている」と分析した。
 一方、医療機関の収入面では「減った」が76・4%の1288件。「変わらない」が19・4%、「増えた」が4%だった。3月診察分で、前年より減った割合を聞いたところ、「1割超2割以下」が32・4%で最も多く、「1割以下」が28%、「2割超3割以下」が19・4%だった。医師からは「4月は3月以上の減収になる」(外科)、「診療所でコロナ患者が出たら休診に追い込まれる。経営的に厳しい」(内科・小児科)などの声が上がった。
 自由記述コメントでは、医療器具の不足を訴える声のほか、「PCR検査対象者を増やしてほしい」「依頼しても受け入れてもらえない」などの意見があった。医院の診療体制について「全来院者に体温検査をしている。車で来た人は車内待機してもらう」(医科)、「インフルエンザ検査はしない」(耳鼻科)、「不急の検査は控えている」(内科)など、自主的なやむを得ぬ対策が記されていた。
(山田一晶)

 県保険医協会は22日、新型コロナウイルス感染拡大が、医療機関に及ぼす影響をまとめた。回答のうち8割が「患者が減った」と答えており、医院経営への不安も出ている。また、寄せられたコメントからは医療器具の不足が深刻化していることも改めて浮き彫りになった。
 調査は入会する約9150人の医師、歯科医師を対象に実施、今月17日までに回答のあった1758件を集計した。
 前年同時期と比べ、患者が減ったかを尋ねたところ、80・1%にあたる1377件が「減った」と回答した。「変わらない」は17・8%。「増えた」は2%だった。3月診察分で、前年より外来患者が減った割合を聞いたところ、「1割超2割以下」が33・1%でトップ。「2割超3割以下」が22・9%、「1割以下」が22・6%と続いた。
 患者が減った割合を診療科別に聞いたところ、「耳鼻咽喉科」が最も多く39%の減少。次いで「小児科」が37%、「眼科」が26%などとなっていた。保険医協会事務局は「患者の受診抑制が起きている。耳鼻咽喉科の患者は『今、急いで受けなくても』と考える人、風邪の患者がいるので『うつされたくない』という心理が働いている。小児科も同じで、自分の子どもに少しぐらい熱があっても、病気をうつされるよりはと、病院に来なくなっている」と分析した。
 一方、医療機関の収入面では「減った」が76・4%の1288件。「変わらない」が19・4%、「増えた」が4%だった。3月診察分で、前年より減った割合を聞いたところ、「1割超2割以下」が32・4%で最も多く、「1割以下」が28%、「2割超3割以下」が19・4%だった。医師からは「4月は3月以上の減収になる」(外科)、「診療所でコロナ患者が出たら休診に追い込まれる。経営的に厳しい」(内科・小児科)などの声が上がった。
 自由記述コメントでは、医療器具の不足を訴える声のほか、「PCR検査対象者を増やしてほしい」「依頼しても受け入れてもらえない」などの意見があった。医院の診療体制について「全来院者に体温検査をしている。車で来た人は車内待機してもらう」(医科)、「インフルエンザ検査はしない」(耳鼻科)、「不急の検査は控えている」(内科)など、自主的なやむを得ぬ対策が記されていた。
(山田一晶)

前年同時期比の外来患者数(3月診療分)
前年同時期比の外来患者数(3月診療分)

カテゴリー:社会・経済

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