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訪日外国人が激減

国際便の発着がゼロとなった中部空港のロビー(今年3月)
国際便の発着がゼロとなった中部空港のロビー(今年3月)
訪日外国人数の推移=日本政府観光局(JNTO)調べ
訪日外国人数の推移=日本政府観光局(JNTO)調べ

日本政府観光局(JNTO)がまとめた統計によると、4月の訪日外国人数は、計2900人(前年同月比99・9%減)となり、7カ月連続で前年同月を下回った。また、単月の訪日外客数としては、統計開始(1964年)以降、過去最少となった。
 新型コロナウイルスの世界的拡大により、多くの国や地域で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られていることが影響した。日本政府による検疫強化、査証(ビザ)の無効化などの対象国も拡大している。主要22市場全てで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となった。
 世界的に旅行需要が停滞している。JNTOは「ウイルス感染状況の推移を注視していく必要がある」としている。
 JNTOの資料によると、前年4月の訪日外国人は292万6685人で、うち観光客が241万1650人だった。今年1月は前年同月比1・1%減の266万1022人(観光客228万7755人)が入国していたが、コロナが世界的に拡大し始めた2月は半減以上の108万5147万人まで減少。3月は同97%減の19万3700人にまで落ち込んでいた。
 4月入国者の国・地域別内訳は、韓国と台湾、米国が各300人で中国、ベトナムが各200人。観光だけでなく、商用の行き来がほとんどなくなっている。
 国内の緊急事態宣言は全地域で解除されたが、海外渡航は日本と相手国の双方が厳しい制限を続けており、解除の見通しは立っていない。日本は今月15日現在、指定した世界100の国・地域に滞在後、2週間経過していない人の入国を拒否している。
 東海地方の空の玄関口である中部空港も、国際到着便を成田と関西の両空港に振り分けているため、入国はゼロの状態が続いている。
    ◇
 一方、宿泊施設と空港間の手荷物当日配送サービスを展開するAirporter(本社・東京)は、新型コロナ禍で、過去のサービス利用者(訪日経験者)を対象にネットアンケートを実施。その結果、次回訪日は「2021年」と答える人が4割に上った。
 調査は3月23~29日に実施、回答したのは204人で、出身地は中国が44人▽香港42人▽台湾23人▽シンガポール17人-などの順。
 まず、「来日予定はあるか(来日済み含む)」と尋ねたところ、83%が「はい」と答えた。その結果を尋ねたところ「延期」が35%、「キャンセル」が19%、「来日済み」が46%だった。1、2月に入国済みだったとみられる。
 一方で、今後の来日予定は97%が「ある」と答えたが、その時期は「2021年中」が4割近くで、次いで「今年10~12月」が2割強、次いで「コロナ終息後」が約15%だった。訪日外国人数がコロナ前に回復する見通しは立っておらず、その需要を当て込んでいた業界は、経営計画の全面的な見直しが迫られそうだ。
 AFP通信の24日現在のまとめによると、累計感染者数は米国161万人▽ブラジル34万人▽ロシア33万人-など。中国は8万4000人、日本は1万1000人で、全世界では506万人が感染し、34万人が死亡している。
 最近は欧州などで外出制限が解除される動きが相次いでいるが、南米での新規感染者、死者が急増中だ。出入国制限の解除はウイルスの第2波、第3波の襲来を招く恐れもあり、政府も慎重に判断するとみられる。
(山田一晶)

日本政府観光局(JNTO)がまとめた統計によると、4月の訪日外国人数は、計2900人(前年同月比99・9%減)となり、7カ月連続で前年同月を下回った。また、単月の訪日外客数としては、統計開始(1964年)以降、過去最少となった。
 新型コロナウイルスの世界的拡大により、多くの国や地域で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られていることが影響した。日本政府による検疫強化、査証(ビザ)の無効化などの対象国も拡大している。主要22市場全てで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となった。
 世界的に旅行需要が停滞している。JNTOは「ウイルス感染状況の推移を注視していく必要がある」としている。
 JNTOの資料によると、前年4月の訪日外国人は292万6685人で、うち観光客が241万1650人だった。今年1月は前年同月比1・1%減の266万1022人(観光客228万7755人)が入国していたが、コロナが世界的に拡大し始めた2月は半減以上の108万5147万人まで減少。3月は同97%減の19万3700人にまで落ち込んでいた。
 4月入国者の国・地域別内訳は、韓国と台湾、米国が各300人で中国、ベトナムが各200人。観光だけでなく、商用の行き来がほとんどなくなっている。
 国内の緊急事態宣言は全地域で解除されたが、海外渡航は日本と相手国の双方が厳しい制限を続けており、解除の見通しは立っていない。日本は今月15日現在、指定した世界100の国・地域に滞在後、2週間経過していない人の入国を拒否している。
 東海地方の空の玄関口である中部空港も、国際到着便を成田と関西の両空港に振り分けているため、入国はゼロの状態が続いている。
    ◇
 一方、宿泊施設と空港間の手荷物当日配送サービスを展開するAirporter(本社・東京)は、新型コロナ禍で、過去のサービス利用者(訪日経験者)を対象にネットアンケートを実施。その結果、次回訪日は「2021年」と答える人が4割に上った。
 調査は3月23~29日に実施、回答したのは204人で、出身地は中国が44人▽香港42人▽台湾23人▽シンガポール17人-などの順。
 まず、「来日予定はあるか(来日済み含む)」と尋ねたところ、83%が「はい」と答えた。その結果を尋ねたところ「延期」が35%、「キャンセル」が19%、「来日済み」が46%だった。1、2月に入国済みだったとみられる。
 一方で、今後の来日予定は97%が「ある」と答えたが、その時期は「2021年中」が4割近くで、次いで「今年10~12月」が2割強、次いで「コロナ終息後」が約15%だった。訪日外国人数がコロナ前に回復する見通しは立っておらず、その需要を当て込んでいた業界は、経営計画の全面的な見直しが迫られそうだ。
 AFP通信の24日現在のまとめによると、累計感染者数は米国161万人▽ブラジル34万人▽ロシア33万人-など。中国は8万4000人、日本は1万1000人で、全世界では506万人が感染し、34万人が死亡している。
 最近は欧州などで外出制限が解除される動きが相次いでいるが、南米での新規感染者、死者が急増中だ。出入国制限の解除はウイルスの第2波、第3波の襲来を招く恐れもあり、政府も慎重に判断するとみられる。
(山田一晶)

国際便の発着がゼロとなった中部空港のロビー(今年3月)
国際便の発着がゼロとなった中部空港のロビー(今年3月)
訪日外国人数の推移=日本政府観光局(JNTO)調べ
訪日外国人数の推移=日本政府観光局(JNTO)調べ

カテゴリー:社会・経済

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