コロナ関連の単語を勉強 豊橋の手話サークル

　豊橋手話サークル「ピエロの会」（淺倉基雄会長）は、豊橋市前畑町の市総合福祉センター「あいトピア」で、およそ３カ月ぶりに例会を開催。これまで使う機会の無かった、新型コロナウイルスに関連する単語などについて勉強したほか、休止期間中の会員の生活などについて話し合った。
　ピエロの会は、市内を中心に東三河に在住する、ろう者20人を含む会員86人で構成。４月から６月第1週までは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、サークル活動を休止していた。再開にあたり、「久しぶりの例会はうれしい。自粛生活で手話を忘れてしまうんじゃないかと心配した」と淺倉会長は話していた。
　例会では最初に「コロナ関連の単語」を勉強。「新型コロナウイルス」「緊急事態宣言」「飛沫感染」「３密」「濃厚接触者」「アベノマスク」「ソーシャルディスタンス」「新しい生活様式」など、新たに生まれた手話単語から、「運動不足」「脱水症」「障害福祉課」「各種助成金」「手洗い」「市長の会見」といった、存在していたものの使う機会が急に増えた単語など、全53種を練習した。
　手話通訳士などは知っていても、一般会員が知らない単語を学ぶほか、言葉そのものは分かっても意味があいまいな単語についても知ってもらう目的。会員らは、指文字を交えた新しい手話単語を真剣に覚えていた。
　単語の勉強の次は、会員が数班に分かれ、輪になって自粛生活中の情報を交換。「外ではマスク越しでのやりとりになるため、相手が何を言っているのか分からなくて困った」「毎月中国に出張していた夫がテレワークになり、出張に行かずにすんだ」「パンを作りたかったが、材料が売り切れていて作れなかった」「マスクがどんどん店頭から減って困ったが、友人の手作りマスクで助かった」「なぜかトイレットぺーパーが無くなった」など、期間中の困ったことや工夫した事、良かったことなどを語り合った。
　マスク生活が続く中、最近は、手話に興味を持つ人も増えているという。同サークルでは現在会員を募集中。問い合わせ、申し込みは、豊橋市社会福祉協議会ボランティアセンター（０５３２・52・１１１１）へ。
（田中博子）