在豊橋ドイツ名誉領事に神野吾郎氏

サーラコーポレーションの社長兼ＣＥＯ、神野吾郎氏が19日、在豊橋ドイツ名誉領事に就任した。辞令の授与式が豊橋市駅前大通１のホテルアークリッシュ豊橋であり、大阪・神戸総領事館のウェルナー・ケーラー総領事が辞令を伝達した。
　中部地区の名誉領事は２０１７年に中部電力の会長を務めた川口文夫氏が離任して以来、空席となっていた。豊橋に名誉領事事務所が開設されるのは初めてで、22日からサーラタワー内で稼働する。
　神野氏は17年から豊橋日独協会の会長。豊橋は国内各地の日独協会の中でも活発な活動で知られる。
　交流のきっかけは１９９０年にあった訪独団。三河港の輸入基地設置について、フォルクスワーゲン社、バイエル社の幹部と懇談した。豊橋市に進出したこれらの企業をサポートするため91年５月に協会が発足した。以来、ビジネスだけでなく、文化、学術面での交流が長く続いている。
　式で、ケーラー総領事は、日独両国の結びつきの大切さを強調したうえで「両国とも経済を重視しており、それは豊橋でも当然のことだ。名誉領事を引き受けてくれた神野氏の覚悟に感謝している」と述べた。
　この後、ドイツの外相、大統領名による就任辞令を授与。神野氏が手を上げて就任の宣誓をした後、辞令受領書に署名して就任が正式に決定した。
　神野氏はスピーチで「大変名誉なことだ。両国は重要なパートナーであり、経済、学術、医療、文化面で結びつきが深い。これまでに多くのドイツ要人を受け入れてきた豊橋市民にとっても誇りだと思う。個人的にもドイツを何度も訪れ、さまざまな学びがあった。少しでもお役に立てれば」などと述べた。
　ケーラー総領事によると、国内のドイツ名誉領事は仙台市、福岡市、沖縄県西原町におり、神野氏が４人目。近く札幌市でも新たに名誉領事が就任する予定という。
　在豊橋名誉領事事務所は平日午前10時から正午と午後２時から同５時に開庁。県の所管事務として経済や交通、文化などの交流に協力するほか、ドイツ人やドイツ法人への助言、地元の日独交流に関する助言と支援、文書の認証業務を担う。
【山田一晶】