出資が殺到「がまごおり未来チケット」

　蒲郡市観光協会は10日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により深刻なダメージを受けている市の宿泊施設や観光施設、飲食店を支援するためのクラウドファンディング（ＣＦ）の企画を立ち上げた。その名は「がまごおり未来チケット」。３０００円からの出資で、10月１日から使える６０００円分のチケット（１０００円つづり）がもらえる。収入減に苦しんでいる店は、ＣＦ終了後に同額の現金収入が得られる。市と蒲郡商工会議所が協力し、観光交流立市の再生を目指す。出資は８月30日まで。初日から出資が殺到し、売り切れが出ているので確認が必要だ。
　仕組みはこうだ。応援には「店舗指定型」と「全体支援型」がある。
　店舗型の場合はまず、支援したいホテルや旅館などの宿泊施設や観光施設、飲食店を選ぶ。そしてＣＦサイトなどから、「３０００円」「５０００円」「１万円」などを出資する。すると、協会から倍額分の「未来チケット」が９月下旬以降に郵送されてくる。チケットは出資した店で10月以降に使える。出資額とチケットの差額は市が負担する。
　一方の全体支援型はリターンの無いＣＦ。１０００円ではお礼のメールが、「５０００円」「１万円」「５万円」は、メールと、ホームページ上に出資者が掲載される（１～６カ月）。支援金はプロジェクト参加施設に均等に配当する。
　コロナ禍で、ＣＦを利用した支援が急増しているという調査結果を大手信販会社がまとめている。自粛要請が続いた音楽や映画などのエンターテイメント業、飲食業などは、さまざまな思い入れを持つ人が少なくない。苦境にある店などを応援したいという気持ちの表れという分析もある。
　今回のＣＦは、個別店の支援にとどまらず、出資した人々を蒲郡に呼び込み、その魅力を再発見してもらいながら「観光のまち蒲郡」の再生を目指す狙いがある。
　スタート初日の午後５時現在、ＣＦサイト「キャンプファイヤー」では目標額を超える出資が集まった。店舗指定型の「３万円」「５万円」のコースは初日で完売した。同じく「１万円」の飲食店応援コースも完売。目標金額は１５００万円だったが、目標額を２０００万円にすることも検討している。
　問い合わせは事務局の運営受託会社「エムアンドシー」（０５０・３１７７・５４２０）へ（土日休み）。
【林大二朗】