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出張「新型コロナ検査」

抗体検査を受ける従業員=豊川市の浜島防災システムで
抗体検査を受ける従業員=豊川市の浜島防災システムで
検査を受けた従業員が携行する検査実施証明書(サンプル)
検査を受けた従業員が携行する検査実施証明書(サンプル)

 防災設備工事、メンテナンス業「浜島防災システム」は21日、豊川市牧野町の工場で、社員と協力業者61人を対象とした新型コロナウイルス検査をした。コロナの検査方法=ことば=は複数あるが、豊橋市弥生町の「医療法人創建会松岡医院」が実施している「抗体検査」を依頼。医師と看護師が出張して集団検査を受けた。同社によると東三河では初めてではないかとしている。
 東京都で連日、3桁台の新規感染者が報告されているほか、県内でも名古屋市を中心に20人前後の患者が見つかっている。工事や点検のため、顧客訪問などの機会が多い同社は、企業活動に対して「安心、安全」感を持ってもらうこと、社員を守ることから、出張検査をしてもらうことになった。
 同社の浜島豊博社長は「地域の防災を担う会社が、ウイルスを広められない。また、リモートワークができず、高齢者施設などにも出向くため、お客さまに安心してもらえるよう、検査を受けることにした」と話す。
 医療機関が出張してきてくれるので、就業時間内の従業員の移動や会社負担の交通費が減らせる。「企業活動を止めるデメリットもない」と同社は導入の理由を説明している。検査結果は、病院発行の証明書カードとして携行できるようにする。
 一方、コロナ対策としての集団抗体検査には批判もある。これについて松岡医院事務局長の松岡叡德さんは「PCR検査を集団で受けるような事態は、企業にとってマイナスイメージしかない。抗体検査で安全マージンを取り、対策を尽くすことは、相手への思いやりにもつながる」と説明する。地域や社会を感染症から守るための手段なのだ。
 工場の会議室には、医師と看護師が4カ所の検査コーナーを作り、机の上に採血と検査のキットを並べて対応した。先頭は浜島社長で、指先をつついて採血し、10分ほどで結果が出た。痛みもほとんど無いという。従業員らも受け付けを済ませ、順番に検査を受けていた。
【山田一晶】

ことば
新型コロナウイルスの三つの検査方法
 「抗体検査」は、病原体に対する抗体の有無や量を調べる。抗体は、ウイルスが体内に入ってきた時にこれを除去しようと体が作り出すたんぱく質で、ウイルス侵入後数日から数カ月で作られる。検査で過去の感染の有無、現在の免疫力の程度などが分かる。ただ、現在もウイルスが体内にいるのか、いつ感染したかは特定できない。
 「PCR検査(遺伝子検査)」は、ウイルスに含まれる特定の遺伝子を増やして調べる方法。患者の鼻やのどの粘液から採取したウイルスの遺伝子を取り出し、増幅させて測定する。県が発表している陽性患者数はこの検査結果に基づく。専門施設が必要で処理能力に限界がある。
 「抗原検査」は、鼻の奥の粘液から綿棒などを使って検体を採取する。インフルエンザでも使われる簡易検査。抗体を作り出すウイルス特有の物質(抗原)の有無を調査する。感染初期でも検出可能で数分で結果が出るが、偽陽性、偽陰性が出る確率が高いとされる。
 それぞれの長所短所があり、使い分けされている。

 防災設備工事、メンテナンス業「浜島防災システム」は21日、豊川市牧野町の工場で、社員と協力業者61人を対象とした新型コロナウイルス検査をした。コロナの検査方法=ことば=は複数あるが、豊橋市弥生町の「医療法人創建会松岡医院」が実施している「抗体検査」を依頼。医師と看護師が出張して集団検査を受けた。同社によると東三河では初めてではないかとしている。
 東京都で連日、3桁台の新規感染者が報告されているほか、県内でも名古屋市を中心に20人前後の患者が見つかっている。工事や点検のため、顧客訪問などの機会が多い同社は、企業活動に対して「安心、安全」感を持ってもらうこと、社員を守ることから、出張検査をしてもらうことになった。
 同社の浜島豊博社長は「地域の防災を担う会社が、ウイルスを広められない。また、リモートワークができず、高齢者施設などにも出向くため、お客さまに安心してもらえるよう、検査を受けることにした」と話す。
 医療機関が出張してきてくれるので、就業時間内の従業員の移動や会社負担の交通費が減らせる。「企業活動を止めるデメリットもない」と同社は導入の理由を説明している。検査結果は、病院発行の証明書カードとして携行できるようにする。
 一方、コロナ対策としての集団抗体検査には批判もある。これについて松岡医院事務局長の松岡叡德さんは「PCR検査を集団で受けるような事態は、企業にとってマイナスイメージしかない。抗体検査で安全マージンを取り、対策を尽くすことは、相手への思いやりにもつながる」と説明する。地域や社会を感染症から守るための手段なのだ。
 工場の会議室には、医師と看護師が4カ所の検査コーナーを作り、机の上に採血と検査のキットを並べて対応した。先頭は浜島社長で、指先をつついて採血し、10分ほどで結果が出た。痛みもほとんど無いという。従業員らも受け付けを済ませ、順番に検査を受けていた。
【山田一晶】

ことば
新型コロナウイルスの三つの検査方法
 「抗体検査」は、病原体に対する抗体の有無や量を調べる。抗体は、ウイルスが体内に入ってきた時にこれを除去しようと体が作り出すたんぱく質で、ウイルス侵入後数日から数カ月で作られる。検査で過去の感染の有無、現在の免疫力の程度などが分かる。ただ、現在もウイルスが体内にいるのか、いつ感染したかは特定できない。
 「PCR検査(遺伝子検査)」は、ウイルスに含まれる特定の遺伝子を増やして調べる方法。患者の鼻やのどの粘液から採取したウイルスの遺伝子を取り出し、増幅させて測定する。県が発表している陽性患者数はこの検査結果に基づく。専門施設が必要で処理能力に限界がある。
 「抗原検査」は、鼻の奥の粘液から綿棒などを使って検体を採取する。インフルエンザでも使われる簡易検査。抗体を作り出すウイルス特有の物質(抗原)の有無を調査する。感染初期でも検出可能で数分で結果が出るが、偽陽性、偽陰性が出る確率が高いとされる。
 それぞれの長所短所があり、使い分けされている。

抗体検査を受ける従業員=豊川市の浜島防災システムで
抗体検査を受ける従業員=豊川市の浜島防災システムで
検査を受けた従業員が携行する検査実施証明書(サンプル)
検査を受けた従業員が携行する検査実施証明書(サンプル)

カテゴリー:社会・経済

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