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猫の命の行方めぐる裁判始まる

記者会見する原告の堀岡さん㊥と菊池弁護士㊧と古橋さん=豊橋市役所で
記者会見する原告の堀岡さん㊥と菊池弁護士㊧と古橋さん=豊橋市役所で
行方不明になった猫たち(提供)
行方不明になった猫たち(提供)

 保護して大切に世話をしてきた猫を譲り受けた新しい飼い主が、安否などについて説明せず、いつの間にか猫がいなくなったということは許されるのか。名古屋地裁豊橋支部で、猫の譲渡で起きたトラブルを巡る裁判が始まった。豊橋市の男性が女性4人を相手に、9匹の猫の引き渡しと損害賠償を求める内容だ。このほど第1回口頭弁論が開かれた。原告の堀岡宏充さん(60)と弁護士らは11日、豊橋市役所で記者会見し「猫を返してほしい」などと訴えた。
 訴状によると、堀岡さんは8年前から猫や子犬を保護してきた。市内の団体「ハーツ」(古橋幸子代表)に協力し、猫の避妊・去勢手術のほか、動物病院で治療を受けさせるなどしてきた。
 堀岡さんは被告の女性を介して昨年4~10月、猫計9匹を女性4人に譲渡した。ところが新しい飼い主になった女性らは、猫の安否確認に応じなくなった。堀岡さんは弁護士に相談し、今年3月に、猫の引き渡しを求めたが応じなかったため提訴した。
 仲介した女性には慰謝料などとして110万円を、引き取った3人の女性に対しては猫の返還か、返せない場合は合計330万円を連帯して支払うよう求めている。
 原告代理人の菊地令比等弁護士によると、被告側は当初、猫を譲り受けたこと自体を否定していたが、裁判では「猫はいなくなった。猫は仲介者から譲り受けたので、堀岡さんから、室内飼いで大切に育てるよう指示されたことはない」などと反論しているという。今月4日の弁論では、地裁支部前に約60人の支援者が集まり、横断幕を持って猫を返すよう訴えた。
 現在、行方不明の猫は生きていれば2~7歳。すべて名前をつけており、保護した後で病院に行き、ワクチンを打ったり、避妊・去勢手術をしたりしたうえで、実家で飼っていた。希望する人には飼育条件を伝えたうえで、譲渡したこともあったという。
 会見で堀岡さんは「物言えぬ猫の命がかかっている。所在と安否だけでも教えてほしい」と改めて訴えた。
 菊地弁護士によると、猫がどうなったのかは不明。虐待などの証拠が無いため、刑事罰を求めることはできない。また、民法上は猫は「物」扱いなため、譲り受けた人にはどのように扱うかの自由がある。ただ今回の場合は、譲り受けた後に大切に飼い、定期的に報告するよう約束したはずだ、と主張する。
 猫の譲渡を巡るトラブルは各地であり、都市部では元飼い主の主張を認めた判例もあるという。古橋代表は「里親詐欺というべき行為だ。過去には猫を引き取って動物実験用に売り払った例もある」と批判した。堀岡さんは「猫は物ではない。人間と同じ尊い命だ」と訴えた。
【山田一晶】

 保護して大切に世話をしてきた猫を譲り受けた新しい飼い主が、安否などについて説明せず、いつの間にか猫がいなくなったということは許されるのか。名古屋地裁豊橋支部で、猫の譲渡で起きたトラブルを巡る裁判が始まった。豊橋市の男性が女性4人を相手に、9匹の猫の引き渡しと損害賠償を求める内容だ。このほど第1回口頭弁論が開かれた。原告の堀岡宏充さん(60)と弁護士らは11日、豊橋市役所で記者会見し「猫を返してほしい」などと訴えた。
 訴状によると、堀岡さんは8年前から猫や子犬を保護してきた。市内の団体「ハーツ」(古橋幸子代表)に協力し、猫の避妊・去勢手術のほか、動物病院で治療を受けさせるなどしてきた。
 堀岡さんは被告の女性を介して昨年4~10月、猫計9匹を女性4人に譲渡した。ところが新しい飼い主になった女性らは、猫の安否確認に応じなくなった。堀岡さんは弁護士に相談し、今年3月に、猫の引き渡しを求めたが応じなかったため提訴した。
 仲介した女性には慰謝料などとして110万円を、引き取った3人の女性に対しては猫の返還か、返せない場合は合計330万円を連帯して支払うよう求めている。
 原告代理人の菊地令比等弁護士によると、被告側は当初、猫を譲り受けたこと自体を否定していたが、裁判では「猫はいなくなった。猫は仲介者から譲り受けたので、堀岡さんから、室内飼いで大切に育てるよう指示されたことはない」などと反論しているという。今月4日の弁論では、地裁支部前に約60人の支援者が集まり、横断幕を持って猫を返すよう訴えた。
 現在、行方不明の猫は生きていれば2~7歳。すべて名前をつけており、保護した後で病院に行き、ワクチンを打ったり、避妊・去勢手術をしたりしたうえで、実家で飼っていた。希望する人には飼育条件を伝えたうえで、譲渡したこともあったという。
 会見で堀岡さんは「物言えぬ猫の命がかかっている。所在と安否だけでも教えてほしい」と改めて訴えた。
 菊地弁護士によると、猫がどうなったのかは不明。虐待などの証拠が無いため、刑事罰を求めることはできない。また、民法上は猫は「物」扱いなため、譲り受けた人にはどのように扱うかの自由がある。ただ今回の場合は、譲り受けた後に大切に飼い、定期的に報告するよう約束したはずだ、と主張する。
 猫の譲渡を巡るトラブルは各地であり、都市部では元飼い主の主張を認めた判例もあるという。古橋代表は「里親詐欺というべき行為だ。過去には猫を引き取って動物実験用に売り払った例もある」と批判した。堀岡さんは「猫は物ではない。人間と同じ尊い命だ」と訴えた。
【山田一晶】

記者会見する原告の堀岡さん㊥と菊池弁護士㊧と古橋さん=豊橋市役所で
記者会見する原告の堀岡さん㊥と菊池弁護士㊧と古橋さん=豊橋市役所で
行方不明になった猫たち(提供)
行方不明になった猫たち(提供)

カテゴリー:社会・経済

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