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県内コロナ「第2波」 8月上旬にはピークアウト

県内コロナ「第2波」  8月上旬にはピークアウト
県内コロナ「第2波」  8月上旬にはピークアウト

 東愛知新聞社は、新型コロナウイルス患者に関する県の資料を基に、8月1カ月間の状況を分析した。7月下旬から始まった「第2波」は8月上旬にはピークアウトしたとみられる傾向が分かる。秋冬にかけての「第3波」への備えが必要だ。
 8月の患者総数は2563人に達した。男性1370人、女性1193人で、男性がやや多い。
 第2波の特徴となる「若年層の感染」は、30代以下が1303人と50・83%を占めた。ただ、名古屋市の繁華街を舞台にしたクラスター(感染者集団)はなくなり、後期は高齢者施設などでのクラスター発生が相次いだ。
 県によると同月25日現在、老人ホーム、グループホームなど高齢者施設での患者発生状況は、第1波(2月19日~4月26日)は15カ所計55人(利用者、職員の合計)だったが、第2波(7月14日~8月23日)は約1カ月で3件のクラスター(感染者集団)が発生したのをはじめ、89カ所計172人と、大幅に増加した。県は、重症化率の高い高齢者に感染させないよう呼び掛けている。
 年代別にみると、2563人中、20代が最多で687人(26・64%)。続いて30代377人(14・70%)、40代343人(13・38%)、50代303人(11・82%)の順。60代以上の合計は614人で、23・95%を占めている。70代と80代の患者は10代(155人)より多くそれぞれ230人、164人となった。100代の人も2人いた。
 最初の感染者から7月31日までの死者は35人だったが、8月1カ月間でさらに30人が死亡した。遺族の意向などで詳細は公表されていないが、第2波後期の高齢者が多いとみられる。
 市町村別の感染者を調べた=表。最も多かったのは名古屋市で1349人と全体の52・63%を占めた。豊橋市は39人。県下で8番目の患者数だ。一時はクラスターが発生したとして危機感が広がったが、中核市の岡崎市(86人)、豊田市(125人)と比べて少ない。他に一宮市(110人)、半田市(74人)、春日井市(52人)、刈谷市(41人)が豊橋を上回った。
 東三河では複数の高齢者施設でクラスターが発生した豊川市が35人(10位)となった。他は蒲郡市が7人(38位)、田原市が5人(44位)、新城市が3人(48位)、豊根村が1人(52位)。設楽町、東栄町は現在も患者が出ていない。隣接する浜松市でもクラスターの発生があったが、依然として感染者は少ない傾向が続いている。
 現在、県内全体の1日の感染者は50人を下回る水準になった。やがて第1波のように、新規感染者がゼロという日が続くようになるかもしれない。
 ただ、首都圏での感染拡大が2週間ほど遅れて愛知県に数字として現れることが第2波の分析で明らかになっている。軽症や無症状の若者がウイルスを広め、高齢者や基礎疾患のある人にうつし、重症化させるというパターンを次の波では繰り返さないようにしたい。
【山田一晶】

 東愛知新聞社は、新型コロナウイルス患者に関する県の資料を基に、8月1カ月間の状況を分析した。7月下旬から始まった「第2波」は8月上旬にはピークアウトしたとみられる傾向が分かる。秋冬にかけての「第3波」への備えが必要だ。
 8月の患者総数は2563人に達した。男性1370人、女性1193人で、男性がやや多い。
 第2波の特徴となる「若年層の感染」は、30代以下が1303人と50・83%を占めた。ただ、名古屋市の繁華街を舞台にしたクラスター(感染者集団)はなくなり、後期は高齢者施設などでのクラスター発生が相次いだ。
 県によると同月25日現在、老人ホーム、グループホームなど高齢者施設での患者発生状況は、第1波(2月19日~4月26日)は15カ所計55人(利用者、職員の合計)だったが、第2波(7月14日~8月23日)は約1カ月で3件のクラスター(感染者集団)が発生したのをはじめ、89カ所計172人と、大幅に増加した。県は、重症化率の高い高齢者に感染させないよう呼び掛けている。
 年代別にみると、2563人中、20代が最多で687人(26・64%)。続いて30代377人(14・70%)、40代343人(13・38%)、50代303人(11・82%)の順。60代以上の合計は614人で、23・95%を占めている。70代と80代の患者は10代(155人)より多くそれぞれ230人、164人となった。100代の人も2人いた。
 最初の感染者から7月31日までの死者は35人だったが、8月1カ月間でさらに30人が死亡した。遺族の意向などで詳細は公表されていないが、第2波後期の高齢者が多いとみられる。
 市町村別の感染者を調べた=表。最も多かったのは名古屋市で1349人と全体の52・63%を占めた。豊橋市は39人。県下で8番目の患者数だ。一時はクラスターが発生したとして危機感が広がったが、中核市の岡崎市(86人)、豊田市(125人)と比べて少ない。他に一宮市(110人)、半田市(74人)、春日井市(52人)、刈谷市(41人)が豊橋を上回った。
 東三河では複数の高齢者施設でクラスターが発生した豊川市が35人(10位)となった。他は蒲郡市が7人(38位)、田原市が5人(44位)、新城市が3人(48位)、豊根村が1人(52位)。設楽町、東栄町は現在も患者が出ていない。隣接する浜松市でもクラスターの発生があったが、依然として感染者は少ない傾向が続いている。
 現在、県内全体の1日の感染者は50人を下回る水準になった。やがて第1波のように、新規感染者がゼロという日が続くようになるかもしれない。
 ただ、首都圏での感染拡大が2週間ほど遅れて愛知県に数字として現れることが第2波の分析で明らかになっている。軽症や無症状の若者がウイルスを広め、高齢者や基礎疾患のある人にうつし、重症化させるというパターンを次の波では繰り返さないようにしたい。
【山田一晶】

県内コロナ「第2波」  8月上旬にはピークアウト
県内コロナ「第2波」  8月上旬にはピークアウト

カテゴリー:社会・経済

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