文字の大きさ

文科省が学校での新型コロナ感染などまとめ

文科省が学校での新型コロナ感染などまとめ
文科省が学校での新型コロナ感染などまとめ
感染防止対策として、全員が前を向き、黙々と給食を食べる児童=新城市立新城小で
感染防止対策として、全員が前を向き、黙々と給食を食べる児童=新城市立新城小で

 文部科学省は、学校での新型コロナウイルス感染と今後の対策についての報告をまとめた。全国の小中高校などが本格的に再開した6月1日から8月31日までの間、感染の報告があった児童生徒は1166人だった。家庭内感染が半数以上を占め、学校内での感染は15%だったとしている。
 統計は小中高校と特別支援学校の合計。小学生は428人、中学生は266人、高校生は463人、特別支援学校は9人。幼稚園児の感染は47人だった。
 感染した子どもたち1166人のうち、軽症または中等症の症状があったのは556人で48%。小学生33%、中学生50%、高校生60%と、年齢が上がるにつれ有症率が高くなる。
 一方で、感染した教職員は小学校から特別支援学校まで合わせて194人。軽症か中等症と診断されたのは145人で、75%を占めた。幼稚園では教職員36人が感染、有症者は29人で割合は81%だった。
 感染経路をみると、子どもたちのうちで家庭内感染だったのが655人で56%。小学生は428人中323人で75%を占めた。高校生は463人中148人で32%となった。校内感染は小学生が9人(2%)、中学生が18人(7%)だったものの、高校生は153人(33%)と高くなっている。文科省は「年齢が上がるにつれ、学校内でも教員の直接的な監視下にはない行動や、自主的な活動が増えることから、衛生管理について生徒自ら留意するよう、指導することが必要」としている。全体の感染経路不明者は224人で19%だった。
 「校内感染」「感染経路不明」を含め、同一の学校で複数の感染者が確認された事例は68件あった。このうち、部活動に関連したものは18件だった。5人以上の感染者が確認されたクラスター(感染者集団)事例は18件あった。このうち部活動関連は9件。20人以上の感染例は小学校で1件、高校で2件あった。文科省は「学校から地域に広く感染した例はなく、学校内で終息している」と分析する一方、部活動でのコロナ対策を徹底するよう求める通知を出した。
 また文科省は3日付で学校向けの「感染症対策マニュアル」を更新した。感染状況(3段階)に応じて、従来は教室などでの身体的距離を「できるだけ2㍍程度」としていたものを、「1㍍を目安」に変更した。分散登校せず、40人での授業が可能となる。地域ごとの感染状況を確認し、段階に応じた対策を取ることになる。
 一方、県内の8月の感染者2563人中、児童生徒が含まれる10代未満と10代の感染者はそれぞれ84人(3%)と155人(6%)だった。全体に占める割合は9%で、多くが家庭内感染とみられる。クラスターの発生報告はなく、感染者が出たことによって3日前後の臨時休校となった学校が複数あった。
 各校では感染防止対策でマスク着用や検温、給食時のおしゃべり禁止などが徹底されており、ワクチンや治療薬の開発まではこの状態が続くことが予想される。子どもたちはまだしばらく、我慢が強いられる。
【山田一晶】

 文部科学省は、学校での新型コロナウイルス感染と今後の対策についての報告をまとめた。全国の小中高校などが本格的に再開した6月1日から8月31日までの間、感染の報告があった児童生徒は1166人だった。家庭内感染が半数以上を占め、学校内での感染は15%だったとしている。
 統計は小中高校と特別支援学校の合計。小学生は428人、中学生は266人、高校生は463人、特別支援学校は9人。幼稚園児の感染は47人だった。
 感染した子どもたち1166人のうち、軽症または中等症の症状があったのは556人で48%。小学生33%、中学生50%、高校生60%と、年齢が上がるにつれ有症率が高くなる。
 一方で、感染した教職員は小学校から特別支援学校まで合わせて194人。軽症か中等症と診断されたのは145人で、75%を占めた。幼稚園では教職員36人が感染、有症者は29人で割合は81%だった。
 感染経路をみると、子どもたちのうちで家庭内感染だったのが655人で56%。小学生は428人中323人で75%を占めた。高校生は463人中148人で32%となった。校内感染は小学生が9人(2%)、中学生が18人(7%)だったものの、高校生は153人(33%)と高くなっている。文科省は「年齢が上がるにつれ、学校内でも教員の直接的な監視下にはない行動や、自主的な活動が増えることから、衛生管理について生徒自ら留意するよう、指導することが必要」としている。全体の感染経路不明者は224人で19%だった。
 「校内感染」「感染経路不明」を含め、同一の学校で複数の感染者が確認された事例は68件あった。このうち、部活動に関連したものは18件だった。5人以上の感染者が確認されたクラスター(感染者集団)事例は18件あった。このうち部活動関連は9件。20人以上の感染例は小学校で1件、高校で2件あった。文科省は「学校から地域に広く感染した例はなく、学校内で終息している」と分析する一方、部活動でのコロナ対策を徹底するよう求める通知を出した。
 また文科省は3日付で学校向けの「感染症対策マニュアル」を更新した。感染状況(3段階)に応じて、従来は教室などでの身体的距離を「できるだけ2㍍程度」としていたものを、「1㍍を目安」に変更した。分散登校せず、40人での授業が可能となる。地域ごとの感染状況を確認し、段階に応じた対策を取ることになる。
 一方、県内の8月の感染者2563人中、児童生徒が含まれる10代未満と10代の感染者はそれぞれ84人(3%)と155人(6%)だった。全体に占める割合は9%で、多くが家庭内感染とみられる。クラスターの発生報告はなく、感染者が出たことによって3日前後の臨時休校となった学校が複数あった。
 各校では感染防止対策でマスク着用や検温、給食時のおしゃべり禁止などが徹底されており、ワクチンや治療薬の開発まではこの状態が続くことが予想される。子どもたちはまだしばらく、我慢が強いられる。
【山田一晶】

文科省が学校での新型コロナ感染などまとめ
文科省が学校での新型コロナ感染などまとめ
感染防止対策として、全員が前を向き、黙々と給食を食べる児童=新城市立新城小で
感染防止対策として、全員が前を向き、黙々と給食を食べる児童=新城市立新城小で

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR