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豊川で「地域猫」勉強会

約30人が参加した飼い主のいない猫の勉強会=豊川市一宮町で
約30人が参加した飼い主のいない猫の勉強会=豊川市一宮町で

 飼い主のいない猫のふん尿被害に悩む地域の人々の勉強会が19日、豊川市一宮町で開かれた。大府市で地域猫=ことば=活動に取り組み、猫の被害を減らした実績のある同市職員、久野幸裕さんらによる講演があり、参加者は熱心に聴き入った。
 猫の保護活動に取り組む市民団体「ニャンとかしまい豊川」と、豊川市環境課の共催。約30人が参加した。3回目の勉強会。
 県動物愛護センター東三河支所の中村聡支所長が、犬や猫の殺処分数、引き取り数の推移を説明した。殺処分は、センターができた1987年度には犬が約3万匹、猫が1万7000匹だったが、昨年度はそれぞれ240匹、484匹まで減少している。
 一方で、引き取り数は昨年度、犬が58匹で猫が703匹だった。猫のうち、飼い主が不明なのは572匹、飼い主から引き取ったものが131匹だったと説明。「全体の92%が猫で、さらに飼い主不明の猫が7割になっていることが問題」と指摘した。
 猫は繁殖力が強く、計算上では1匹が1年後には20匹に、3年後には2000匹まで増えると紹介し、「不妊・去勢手術で地域猫として管理してはどうか」と提言した。県は飼い主のいない猫の適正管理マニュアルをつくり、地域猫活動を推進している。
 続いて「地域猫アドバイザー」として久野さんが講演。久野さんは環境課長時代に、自治会などと協議を続け、地域猫活動を続けることで、猫の被害を減らした実績がある。現在は別の部署に異動したが、活動を継続するため、助言を続けている。
 久野さんは、猫問題の解決によって「猫の鳴き声」「ふん尿」「ごみあさり」などの被害が無くなるだけでなく、知らなかった人々とあいさつしたり、カラスのごみあさり被害が減ったりする副次的効果があると説明した。市が動物愛護より、「環境美化」として参加することで、活動に公共性を与え、市民生活の向上につながると説明した。
 そして「チラシを配るなどして情報を共有することが重要。テリトリー内のすべての猫の不妊・去勢手術をし、適正な餌やりで猫の動向を把握し、飼い主には室内飼いを厳守させる」と内容を紹介した。
 会場からは、ふん尿被害に悩む市民から相談が寄せられたほか、実際に猫の被害を減らした自治会からの報告もあった。
【山田一晶】

地域猫
特定の個人ではなく、その地域の住民が共同で飼育と管理をしている猫。管理する住民は、餌やり、ふんの清掃、繁殖防止のための避妊手術などをする。繁殖しないため、猫は自然に減っていく。

 飼い主のいない猫のふん尿被害に悩む地域の人々の勉強会が19日、豊川市一宮町で開かれた。大府市で地域猫=ことば=活動に取り組み、猫の被害を減らした実績のある同市職員、久野幸裕さんらによる講演があり、参加者は熱心に聴き入った。
 猫の保護活動に取り組む市民団体「ニャンとかしまい豊川」と、豊川市環境課の共催。約30人が参加した。3回目の勉強会。
 県動物愛護センター東三河支所の中村聡支所長が、犬や猫の殺処分数、引き取り数の推移を説明した。殺処分は、センターができた1987年度には犬が約3万匹、猫が1万7000匹だったが、昨年度はそれぞれ240匹、484匹まで減少している。
 一方で、引き取り数は昨年度、犬が58匹で猫が703匹だった。猫のうち、飼い主が不明なのは572匹、飼い主から引き取ったものが131匹だったと説明。「全体の92%が猫で、さらに飼い主不明の猫が7割になっていることが問題」と指摘した。
 猫は繁殖力が強く、計算上では1匹が1年後には20匹に、3年後には2000匹まで増えると紹介し、「不妊・去勢手術で地域猫として管理してはどうか」と提言した。県は飼い主のいない猫の適正管理マニュアルをつくり、地域猫活動を推進している。
 続いて「地域猫アドバイザー」として久野さんが講演。久野さんは環境課長時代に、自治会などと協議を続け、地域猫活動を続けることで、猫の被害を減らした実績がある。現在は別の部署に異動したが、活動を継続するため、助言を続けている。
 久野さんは、猫問題の解決によって「猫の鳴き声」「ふん尿」「ごみあさり」などの被害が無くなるだけでなく、知らなかった人々とあいさつしたり、カラスのごみあさり被害が減ったりする副次的効果があると説明した。市が動物愛護より、「環境美化」として参加することで、活動に公共性を与え、市民生活の向上につながると説明した。
 そして「チラシを配るなどして情報を共有することが重要。テリトリー内のすべての猫の不妊・去勢手術をし、適正な餌やりで猫の動向を把握し、飼い主には室内飼いを厳守させる」と内容を紹介した。
 会場からは、ふん尿被害に悩む市民から相談が寄せられたほか、実際に猫の被害を減らした自治会からの報告もあった。
【山田一晶】

地域猫
特定の個人ではなく、その地域の住民が共同で飼育と管理をしている猫。管理する住民は、餌やり、ふんの清掃、繁殖防止のための避妊手術などをする。繁殖しないため、猫は自然に減っていく。

約30人が参加した飼い主のいない猫の勉強会=豊川市一宮町で
約30人が参加した飼い主のいない猫の勉強会=豊川市一宮町で

カテゴリー:社会・経済 / 地域・教育

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