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移動図書館の風景を切り取る 田原「いずみ号」運転手の岡本さん

「いずみ号」を題材にした作品を手にする岡本さん=田原市中央図書館で
「いずみ号」を題材にした作品を手にする岡本さん=田原市中央図書館で
訪問先では子どもたちとも触れ合う
訪問先では子どもたちとも触れ合う

 田原市内の小学校を巡回する移動図書館「いずみ号」の訪問先で、現場の様子を水彩画に描く男性がいる。元市職員の岡本長佳さん(60)だ。再任用された中央図書館でいずみ号の運転手として第二の人生をスタート。同時に「六十の手習い」で絵筆もとり始めた。始めて間もなく、点数はまだ少ないが「余暇が増えたので描き続けたい」と意欲を見せる。
 市役所時代は消防職員として活躍した。田原消防署長で今年3月に公務員人生を終えた。再任用制度を利用し、勧められたのが中央図書館だった。大型免許を持っていることから、移動図書館の車両を運転してほしいという理由だった。
 いずみ号での出動は週2日、午後に田原と赤羽根地区の小学校を中心に巡回する。午前中は配本業務などがある。勤務終了は午後4時で、余暇も増えた。
 ある時、リサイクルコーナーへ回す蔵書の中から水彩画の技法を解説した本を手にとった。以前から絵は好きで、絵画教室にも通ったことがあった。「創作意欲に火がついた」と振り返る。
 一方、職場では初出動するはずの4月は新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校。再開の6月まで、学校訪問はお預けとなった。
 待ち遠しかった初訪問先は野田小学校。うれしさと印象深さで脳裏に焼き付いた情景を画用紙にぶつけてみた。校舎で移動図書館を心待ちにする子どもたちが、移動図書館に群がる風景だ。
 「早く訪問したい自分と待ちかねる子どもたちの間を『いずみ号』がつないでいるようだ」と岡本さん。記念すべき2作品は「待ちに待った移動図書館『いずみ号』」(B5判)と名付けた。同僚たちの希望で休憩所に飾ってある。
 いずみ号では、午後に2校ずつ訪問する。運転以外に会場設営も手伝い、子どもたちとのふれあうのも楽しみの一つだ。
 今は週1点ずつ、家族や近所の風景など身近なものを題材に作品を増やしている。今後は「作品を増やす以外に、はやく孫を描きたい」と笑った。
【加藤広宣】

 田原市内の小学校を巡回する移動図書館「いずみ号」の訪問先で、現場の様子を水彩画に描く男性がいる。元市職員の岡本長佳さん(60)だ。再任用された中央図書館でいずみ号の運転手として第二の人生をスタート。同時に「六十の手習い」で絵筆もとり始めた。始めて間もなく、点数はまだ少ないが「余暇が増えたので描き続けたい」と意欲を見せる。
 市役所時代は消防職員として活躍した。田原消防署長で今年3月に公務員人生を終えた。再任用制度を利用し、勧められたのが中央図書館だった。大型免許を持っていることから、移動図書館の車両を運転してほしいという理由だった。
 いずみ号での出動は週2日、午後に田原と赤羽根地区の小学校を中心に巡回する。午前中は配本業務などがある。勤務終了は午後4時で、余暇も増えた。
 ある時、リサイクルコーナーへ回す蔵書の中から水彩画の技法を解説した本を手にとった。以前から絵は好きで、絵画教室にも通ったことがあった。「創作意欲に火がついた」と振り返る。
 一方、職場では初出動するはずの4月は新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校。再開の6月まで、学校訪問はお預けとなった。
 待ち遠しかった初訪問先は野田小学校。うれしさと印象深さで脳裏に焼き付いた情景を画用紙にぶつけてみた。校舎で移動図書館を心待ちにする子どもたちが、移動図書館に群がる風景だ。
 「早く訪問したい自分と待ちかねる子どもたちの間を『いずみ号』がつないでいるようだ」と岡本さん。記念すべき2作品は「待ちに待った移動図書館『いずみ号』」(B5判)と名付けた。同僚たちの希望で休憩所に飾ってある。
 いずみ号では、午後に2校ずつ訪問する。運転以外に会場設営も手伝い、子どもたちとのふれあうのも楽しみの一つだ。
 今は週1点ずつ、家族や近所の風景など身近なものを題材に作品を増やしている。今後は「作品を増やす以外に、はやく孫を描きたい」と笑った。
【加藤広宣】

「いずみ号」を題材にした作品を手にする岡本さん=田原市中央図書館で
「いずみ号」を題材にした作品を手にする岡本さん=田原市中央図書館で
訪問先では子どもたちとも触れ合う
訪問先では子どもたちとも触れ合う

カテゴリー:社会・経済

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