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選挙戦の様相も一変 食い違うユニチカ問題

選挙戦の様相も一変 食い違うユニチカ問題
「ユニチカ問題」について双方で食い違う主張が並ぶリーフレット
「ユニチカ問題」について双方で食い違う主張が並ぶリーフレット
選挙戦の様相も一変 食い違うユニチカ問題

 豊橋市長選は告示(11月1日)まで10日余となった。立候補を表明しているのは五十音順に県議の浅井由崇氏(58)、現職の佐原光一氏(66)、弁当販売業の鈴木美穂氏(46)。市民から注目を集めるのがユニチカ跡地問題だ。浅井陣営は「市長の独断専行が招いた事件」と出馬表明当初から問題視していた。佐原陣営は外部の批判に対し、判断に誤りはなかったとして静観の構えだったが一転、見解をまとめたリーフレットを後援会が作り、反撃に出た。選挙戦の様相も一変しそうだ。

 問題はユニチカが2015年秋に閉鎖した事業所跡地約27万平方㍍を住宅大手の積水ハウスに63億円で売却したこと。市とユニチカが1951年に結んだ契約には「敷地の内、使用する計画を放棄した部分は、これを市に返還」との記載があった。土地を返さず売却したのは契約不履行として市民の原告団が16年、佐原市長を相手取り売却代金をユニチカに請求するよう求め提訴。今年7月に最高裁で21億円の請求を命じる判決が確定した。ユニチカは8月末までに遅延損害金を含む26億円を支払った。
 浅井陣営は後援会「豊橋新時代の会」の会報9・10月合併号で、ユニチカ問題について一問一答式で解説している。
 まず、訴訟について「市の全面敗訴。最高裁判決まで三連敗」と断じ、市民の財産を損ねた市政について批判した。市長の対応について民間企業にたとえ「株主は黙っていない」と主張した。これまでの集会でも弁士たちが次々と「速やかにユニチカへ請求すべきだった。それをしないで市民の財産を棄損した」「企業経営者なら特別背任罪にあたる」などと痛烈に批判する場面がみられた。 
 対する佐原陣営は、後援会内部に市議や地元選出県議でつくる調査チームを設置。判決文を精査し、関係者への聞き取りを進め、反論するリーフレットを作った。
 A4判両面刷り。「ユニチカ問題、正しく知ろう」との見出しで始まる。争点となった箇所を一問一答式で展開。市の対応の正当性を主張している。
 6個のQ&Aは「ユニチカの土地は豊橋市の財産だったの?」「使わなくなったら全て市へ返す契約だったと聞いたけど?」など、ライバル陣営の批判内容を織り込んだ質問が並ぶ。
 そして答えとして土地は「戦後復興策の一環で国からユニチカに移転・譲渡された。登記簿上も市の財産ではなかった」。契約問題も「操業前に使わないと意思表示した土地のこと。使わなくなったら全部返すという意味ではない」と反論した。
 1審判決から請求額が減額されたことについては「行政は損得だけで動いてはいけない。交わした約束は誠実に守って信頼される存在でなければならない」などと答えている。「市長の独断」論は「当局で70年間引き継がれてきた契約。独断でどうなるものではない」としている。
 一方、鈴木氏は取材に「最高裁の判断を尊重すべきで、選挙の争点ではない」と話した。
【安藤聡、加藤広宣】

 豊橋市長選は告示(11月1日)まで10日余となった。立候補を表明しているのは五十音順に県議の浅井由崇氏(58)、現職の佐原光一氏(66)、弁当販売業の鈴木美穂氏(46)。市民から注目を集めるのがユニチカ跡地問題だ。浅井陣営は「市長の独断専行が招いた事件」と出馬表明当初から問題視していた。佐原陣営は外部の批判に対し、判断に誤りはなかったとして静観の構えだったが一転、見解をまとめたリーフレットを後援会が作り、反撃に出た。選挙戦の様相も一変しそうだ。

 問題はユニチカが2015年秋に閉鎖した事業所跡地約27万平方㍍を住宅大手の積水ハウスに63億円で売却したこと。市とユニチカが1951年に結んだ契約には「敷地の内、使用する計画を放棄した部分は、これを市に返還」との記載があった。土地を返さず売却したのは契約不履行として市民の原告団が16年、佐原市長を相手取り売却代金をユニチカに請求するよう求め提訴。今年7月に最高裁で21億円の請求を命じる判決が確定した。ユニチカは8月末までに遅延損害金を含む26億円を支払った。
 浅井陣営は後援会「豊橋新時代の会」の会報9・10月合併号で、ユニチカ問題について一問一答式で解説している。
 まず、訴訟について「市の全面敗訴。最高裁判決まで三連敗」と断じ、市民の財産を損ねた市政について批判した。市長の対応について民間企業にたとえ「株主は黙っていない」と主張した。これまでの集会でも弁士たちが次々と「速やかにユニチカへ請求すべきだった。それをしないで市民の財産を棄損した」「企業経営者なら特別背任罪にあたる」などと痛烈に批判する場面がみられた。 
 対する佐原陣営は、後援会内部に市議や地元選出県議でつくる調査チームを設置。判決文を精査し、関係者への聞き取りを進め、反論するリーフレットを作った。
 A4判両面刷り。「ユニチカ問題、正しく知ろう」との見出しで始まる。争点となった箇所を一問一答式で展開。市の対応の正当性を主張している。
 6個のQ&Aは「ユニチカの土地は豊橋市の財産だったの?」「使わなくなったら全て市へ返す契約だったと聞いたけど?」など、ライバル陣営の批判内容を織り込んだ質問が並ぶ。
 そして答えとして土地は「戦後復興策の一環で国からユニチカに移転・譲渡された。登記簿上も市の財産ではなかった」。契約問題も「操業前に使わないと意思表示した土地のこと。使わなくなったら全部返すという意味ではない」と反論した。
 1審判決から請求額が減額されたことについては「行政は損得だけで動いてはいけない。交わした約束は誠実に守って信頼される存在でなければならない」などと答えている。「市長の独断」論は「当局で70年間引き継がれてきた契約。独断でどうなるものではない」としている。
 一方、鈴木氏は取材に「最高裁の判断を尊重すべきで、選挙の争点ではない」と話した。
【安藤聡、加藤広宣】

選挙戦の様相も一変 食い違うユニチカ問題
「ユニチカ問題」について双方で食い違う主張が並ぶリーフレット
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カテゴリー:政治・行政

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