ウイルス侵入抑える効果

豊橋の明星プレス「オゾンゲート」商品化

　新型コロナウイルス感染拡大「第３波」が現実となる中、精密部品加工の明星プレス（豊橋市飯村町）は、建物入館時のウイルス侵入を抑える装置「オゾンゲート」を商品化した。通用門のように置いた一対のゲート（きょう体）が、オゾンガスの噴射と吸い込みの役割を担う。ウイルスを含む空気はダクトで浄化した空気として循環させる。不特定多数が出入りする集客施設などの「水際」対策に期待され、引き合いが急増している。
オゾンガスがウイルスなどを不活性化させる効果は知られていたが、人体に安全な濃度での実用化が課題だった。藤田医科大学が今夏発表した研究成果で、人体にも安全な許容範囲内（０・１ｐｐｍ）での不活性化が実証されたため、新商品に弾みがついた。
　オゾンゲートは「噴霧」「吸込」の各ゲートを建物入口で対に置き、頭上をダクトでつないで使用する。高さと幅各２㍍、奥行き約70㌢のスペースがあれば設置可能。総重量も約40㌔で台車に載せて運べる。
　噴霧ゲートは、高電圧で発生させた低濃度オゾンガス（０・１ｐｐｍ）を風速25㍍で十数秒間噴射する。身体や頭髪に付着したウイルスを払い落とし、反対ゲートで吸い込む。吸い込んだ空気はダクトで循環させ、浄化しながら噴霧ゲートへ送り返す。
　人体に影響ない濃度の噴出ガス、オゾン発生時に排出する窒素酸化物の除去機能も備える。従来のオゾン発生装置にはない吸引と浄化のサイクルを可能にし、実用新案を申請するという。
　一式約１２０万円でアレンジも可能。２００ボルトと１００ボルト電圧が必要だが、将来は家庭向けに１００ボルトタイプの改良版にも取り組む。仕事仲間で元商社マンの萩原祥志さんが営む販売会社で、市場調査や販売促進を担当。岩屋町のラボには体験の申し込みなど引き合いが急増している。
　すでに、田原市の伊良湖ビューホテルが導入を検討、自治体などが関心を示している。明星プレスの今井敬順専務は「恐らく世界初。潜伏期間が長いウイルスを建物入口で防ぎ、安心で安全なウイズコロナ時代に順応できたら」と話す。
　問い合わせは「ｏ３ｐｅａｃｅ（オースリーピース）」＝ＱＲコード＝へ。
【加藤広宣】