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歴史あるムクノキ消える

伐採前にムクノキの周囲に集まった庭野小の児童=14日午前9時5分
伐採前にムクノキの周囲に集まった庭野小の児童=14日午前9時5分
上部から少しずつ解体される木=午前10時10分
上部から少しずつ解体される木=午前10時10分
切り株になったムクノキ=午前11時45分
切り株になったムクノキ=午前11時45分

事故の危険と内部空洞化から伐採

 新城市は14日、市指定天然記念物だった「ムクノキ」(庭野香ケ崎)を伐採した。樹齢400年の木が解体される様子を、近所の人々が名残惜しげに見守った。
 樹高12㍍、目通り3・4㍍。戦国武将で「海道一の弓取り」と称された今川義元(1519~60年)の一族が、当地の有力者の養子となったことを記念に植えられた、とする古文書が残る。この木が天然記念物指定されたのは1960年。当時は屋敷の中にあったが、これと同じ頃に市道が木のそばを通り、やがて道路が拡幅されると、センターライン上に残る形になった。
 近年は周辺道路も含めて交通量が増加、衝突事故も数件起きていたという。懸念する地元からは危険木扱いされており、地元区長は今年5月、伐採の要望を出した。
 市文化財保護審議会が木を調査した結果、内部がうろ(空洞)になっており、移植しても定着しないと判断。記念物の指定解除に至った。
 伐採作業は午前9時に開始。担当する新城森林組合の作業員は、ムクノキに向かって深々と頭を下げてからチェーンソーで枝を落とし始めた。近くの庭野小学校児童が見守る中、上の方から切断されていき、3時間後には切り株となった。
 市は、ムクノキの子孫を残すため、「取り木」などに取り組んでいる。
【山田一晶】

事故の危険と内部空洞化から伐採

 新城市は14日、市指定天然記念物だった「ムクノキ」(庭野香ケ崎)を伐採した。樹齢400年の木が解体される様子を、近所の人々が名残惜しげに見守った。
 樹高12㍍、目通り3・4㍍。戦国武将で「海道一の弓取り」と称された今川義元(1519~60年)の一族が、当地の有力者の養子となったことを記念に植えられた、とする古文書が残る。この木が天然記念物指定されたのは1960年。当時は屋敷の中にあったが、これと同じ頃に市道が木のそばを通り、やがて道路が拡幅されると、センターライン上に残る形になった。
 近年は周辺道路も含めて交通量が増加、衝突事故も数件起きていたという。懸念する地元からは危険木扱いされており、地元区長は今年5月、伐採の要望を出した。
 市文化財保護審議会が木を調査した結果、内部がうろ(空洞)になっており、移植しても定着しないと判断。記念物の指定解除に至った。
 伐採作業は午前9時に開始。担当する新城森林組合の作業員は、ムクノキに向かって深々と頭を下げてからチェーンソーで枝を落とし始めた。近くの庭野小学校児童が見守る中、上の方から切断されていき、3時間後には切り株となった。
 市は、ムクノキの子孫を残すため、「取り木」などに取り組んでいる。
【山田一晶】

伐採前にムクノキの周囲に集まった庭野小の児童=14日午前9時5分
伐採前にムクノキの周囲に集まった庭野小の児童=14日午前9時5分
上部から少しずつ解体される木=午前10時10分
上部から少しずつ解体される木=午前10時10分
切り株になったムクノキ=午前11時45分
切り株になったムクノキ=午前11時45分

カテゴリー:社会・経済 / 政治・行政

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