障害者4人が日本でホノルルマラソン

豊橋向山緑地を会場にバーチャルで挑戦

　障害のある豊橋、豊川市在住の若者４人が29日、ホノルルマラソン協会主催のオンライン・ランニング・イベント「ホノルルマラソン・バーチャル・ビーチフェス」に挑戦した。豊橋市の向山緑地を会場に快い汗を流し、それぞれの目標距離を完走した。
　４人は、地元の障害者らが参加する「チームステップ　マラソン部」のメンバーだ。障害のある人に達成感を味わってもらおうと、市内の宮副幸子さんが立ち上げたチーム。障害者柔道やマラソン、ヨットなどの活動を展開し、マラソン部は14年ほど前にスタート。約40人が所属し、三河湾マラソンや豊橋みなとシティマラソンなどに参加、10年前から有志がホノルルマラソンにも挑戦している。
　今年は４人が挑戦を希望していたが、新型コロナウイルスの影響で開催中止に。代わりに実施される「ホノルルマラソン・バーチャル・ビーチフェス」にエントリーした。
　期間は今月１日から31日までで、ＧＰＳアプリを使ったアクティビティーログを提出する。距離は、実際のホノルルマラソンと同じ「フルマラソン（42・１９５㌔）」「10Ｋラン＆ウォーク（10㌔）」「カラカウアメリーマイル（１・６㌔）」の３種。フルマラソンは複数回走って累積で42・１９５㌔を走破する「マルチデーレース方式」も選べる。
　今回参加した平野裕太郎さん（25）と荒木啓暢さん（38）は、マルチデー方式でのフルマラソンを選択。平野さんは３回、荒木さんは６回に分け、この日が最終日となった。身体に障害のある榎澤眞穂さん（23）と吉川晃弘さん（29）は10㌔に挑戦した。
　会社帰りに電車を１駅前で降りて自宅まで歩く距離を増やしたり、生米を握って握力を付け車椅子のスピードアップを図ったりと、それぞれが出場に向けて練習を重ねてきた。その結果、体も引き締まり、風邪をひきにくくなったり、外出機会が増えて性格がより明るくなったりと、良い効果があったという。
　この日は冬空の下、４人同時にスタート。仲間の声援を受けながら、普段練習で使う向山大池の外周などを元気に走り、それぞれの目標地点で笑顔でフィニッシュテープを切った。宮副さんは「今後も挑戦を続けたい。今回、２人が初参加だが、今度はホノルルを走らせてあげたい」と４人の頑張りに目を細めていた。
【田中博子】