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クラウドファンディングで「豊橋絶滅動物園」刊行へ

アフリカ園の前でプロジェクトの真意を語る佐々木さん。胸の英字は絶滅危惧種のランクを示す=のんほいパークで
アフリカ園の前でプロジェクトの真意を語る佐々木さん。胸の英字は絶滅危惧種のランクを示す=のんほいパークで
絶滅危惧種のコツメカワウソ(佐々木さん提供)
絶滅危惧種のコツメカワウソ(佐々木さん提供)
クラウドファンディングで「豊橋絶滅動物園」刊行へ

 豊橋市出身でフリーのコンテンツプロデューサー佐々木シュウジさん(55)が、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)を舞台にした読み聞かせ写真集「豊橋絶滅動物園」を作るため、初のクラウドファンディングで資金を募っている。目標金額は300万円で期限は27日午後11時59分59秒。21日現在で140万円を超えた。出版にかける思いを、のんほいパークで聞いた。
 東田小、青陵中、豊橋東高、愛知大と進んだ。広告会社、NHK関連会社を経て2003年から現職。現在は名古屋市在住。
 同市の東山動物園にいる絶滅危惧種の動物たちを通して、地球環境をみんなで考えるアイデアを温めていた。ただ、テレビ局などに提案しても実現しない。そこで16年「東山絶滅動物園」を、19年には「上野絶滅動物園」と刊行した。いずれも園内にいるすべての絶滅危惧種の動物を撮影し、なぜ数が減ったのかを親子で読みながら考える内容だ。
 今回は第3弾。豊橋を選んだのは地元であるだけでなく、のんほいパークが広大な施設を利用して、動物にストレスのかからない飼育をしていることも理由に挙げる。「キリンやシマウマが走れる園はなかなか無い」と佐々木さん。
 「絶滅」というタイトルはショッキングだ。だが、佐々木さんはこの言葉が持つ意味を考えてほしいという。2050年には地球人口は最大になるとされる。今10歳の子どもは40歳。自身の子どもが動物園を訪ねた時、そこに動物はいるのだろうか。「国内で最後に残ったゴリラが死にました」というニュースが流れる日は近いのではないか。ここ30年で4割も減ったというキリンは。
 「動物は自ら環境を変えられない。汽水域で生きるコツメカワウソは海や川の上流に引っ越しできない。人間が汚した水や空気の中で生きるしかない」と佐々木さんは思いやる。共生するために、人間がライフスタイルを変える必要があるのだ。
 出版はゴールではない。絶滅危惧種、絶滅した動物を通じて、物の見方を変えることにあると語る。そうすれば、動物園は見世物の場ではなくなる。そこで動物を見ながら、買い物の習慣を改めるなどして、自然破壊を減らせば、30年後も多くの野生動物が生きている世界があるのかもしれない。「それが本当のSDGs(持続可能な開発目標)ではないか」と佐々木さんは語った。
 資金は写真集制作、監修、リターン関連費用などに充てる。個人向けは3000円から。写真集やオリジナルTシャツなどのリターンがある。企業向けには5万円から。写真集にクレジットが入る。本は今年6月頃の出版予定だ。支援はクラウドファンディングサイト=QRコード=から。
【山田一晶】

 豊橋市出身でフリーのコンテンツプロデューサー佐々木シュウジさん(55)が、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)を舞台にした読み聞かせ写真集「豊橋絶滅動物園」を作るため、初のクラウドファンディングで資金を募っている。目標金額は300万円で期限は27日午後11時59分59秒。21日現在で140万円を超えた。出版にかける思いを、のんほいパークで聞いた。
 東田小、青陵中、豊橋東高、愛知大と進んだ。広告会社、NHK関連会社を経て2003年から現職。現在は名古屋市在住。
 同市の東山動物園にいる絶滅危惧種の動物たちを通して、地球環境をみんなで考えるアイデアを温めていた。ただ、テレビ局などに提案しても実現しない。そこで16年「東山絶滅動物園」を、19年には「上野絶滅動物園」と刊行した。いずれも園内にいるすべての絶滅危惧種の動物を撮影し、なぜ数が減ったのかを親子で読みながら考える内容だ。
 今回は第3弾。豊橋を選んだのは地元であるだけでなく、のんほいパークが広大な施設を利用して、動物にストレスのかからない飼育をしていることも理由に挙げる。「キリンやシマウマが走れる園はなかなか無い」と佐々木さん。
 「絶滅」というタイトルはショッキングだ。だが、佐々木さんはこの言葉が持つ意味を考えてほしいという。2050年には地球人口は最大になるとされる。今10歳の子どもは40歳。自身の子どもが動物園を訪ねた時、そこに動物はいるのだろうか。「国内で最後に残ったゴリラが死にました」というニュースが流れる日は近いのではないか。ここ30年で4割も減ったというキリンは。
 「動物は自ら環境を変えられない。汽水域で生きるコツメカワウソは海や川の上流に引っ越しできない。人間が汚した水や空気の中で生きるしかない」と佐々木さんは思いやる。共生するために、人間がライフスタイルを変える必要があるのだ。
 出版はゴールではない。絶滅危惧種、絶滅した動物を通じて、物の見方を変えることにあると語る。そうすれば、動物園は見世物の場ではなくなる。そこで動物を見ながら、買い物の習慣を改めるなどして、自然破壊を減らせば、30年後も多くの野生動物が生きている世界があるのかもしれない。「それが本当のSDGs(持続可能な開発目標)ではないか」と佐々木さんは語った。
 資金は写真集制作、監修、リターン関連費用などに充てる。個人向けは3000円から。写真集やオリジナルTシャツなどのリターンがある。企業向けには5万円から。写真集にクレジットが入る。本は今年6月頃の出版予定だ。支援はクラウドファンディングサイト=QRコード=から。
【山田一晶】

アフリカ園の前でプロジェクトの真意を語る佐々木さん。胸の英字は絶滅危惧種のランクを示す=のんほいパークで
アフリカ園の前でプロジェクトの真意を語る佐々木さん。胸の英字は絶滅危惧種のランクを示す=のんほいパークで
絶滅危惧種のコツメカワウソ(佐々木さん提供)
絶滅危惧種のコツメカワウソ(佐々木さん提供)
クラウドファンディングで「豊橋絶滅動物園」刊行へ

カテゴリー:社会・経済

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