市電がカフェに変身

　豊橋鉄道市内線の車内をカフェに改装した「カフェトレ」の実証運行が28日、駅前と運動公園前電停の区間であった。市内特産の食用花を使ったスイーツに舌鼓を打ち、乗り心地などを確かめた。
　観光庁の採択事業の一つで、誘客の多角化や魅力ある企画づくりを検証する。旅行会社や飲食事業者、観光団体などの関係者８人が乗車した。
　車内は「パーラーＨＡＮＡＫＯ」（駅前大通１）の店内を模した。
　店主の金沢幸実さん（54）が監修し、天井につるしたドライフラワーや押し花の壁掛け、フリルカーテンなど、手作り感あふれる女性好みの内装に仕上げた。
　この日提供したスイーツメニューも同店が手掛けた。パンジーやビオラなど特産の食用花をゼリーやミニパフェの食材に使った。また、コーヒーなどの飲料はワルツ、食用花は豊橋温室園芸農協が提供した。
　金沢さんは「店の内装がそのまま電車に乗り移ったようで驚いた」と感激。「今後も運行してほしい」と願った。
　豊鉄市内線は「ビール電車」と「おでんしゃ」の特別列車の運行実績がある。企画した東武トップツアーズの亀嶋昭雄支店長（５０）は「昼下がりのカフェの趣向が過去の特別列車と異なり、若者や子育て女性へのアピール材料になる。豊鉄や行政と連携して正式運行につながれば」と話した。
【加藤広宣】