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防災まちづくり大賞で総務大臣賞

受賞を報告する平松さん㊧と淺倉さん=東愛知新聞社で
受賞を報告する平松さん㊧と淺倉さん=東愛知新聞社で
防災イベントへの参加の様子(提供)
防災イベントへの参加の様子(提供)

豊橋手話通訳学習者の会と豊橋手話ネットワーク

 豊橋手話通訳学習者の会(豊通会、平松靖一郎会長)と、同会や豊橋市聴覚障害者協会など5団体で作る「豊橋手話ネットワーク」(中谷常也代表)は、総務省消防庁主催の「第25回防災まちづくり大賞」で最高位の「総務大臣賞」に選ばれた。災害弱者の防災力向上に関する優れた取り組みが評価された。

 豊通会は手話を通して聴覚障害者の社会参加促進を支援、防災や手話言語普及に向け活動を展開してきた。また手話ネットワークは、聴覚障害者や手話関係団体が一丸となり、聴覚障害者の福祉向上に取り組んでいる。
 大規模災害時の災害弱者である聴覚障害者の防災対策を図ろうと、日頃から地域の防災訓練や、行政機関、関係団体との合同会議などに積極的に参加。特に、東日本大震災発生翌年の2012年からは、聴覚障害者視点に立った組織的で体系的な防災対策や啓発活動に取り組んできた。聴覚障害者と手話通訳者らが対等な仲間として手を取り合い、地域ぐるみで防災対策を推進するケースは珍しいという。
 具体的な取り組みの一つに地域住民らとの情報伝達支援ツール「避難所でのお知らせ絵カード」の作成がある。避難所で「支援物品を配ります」「困っていることはありますか?」などの場面を絵と文字で説明するカードだ。
 市内の避難所の備品リストにも加わり、救急車にも配備された。その品質の高さから、県内外の自治体からの要望で、データも無償提供している。対応言語も増やしたことで、聴覚障害者だけでなく、外国人にも配慮したツールとして期待されている。
 ほかにも、聴覚障害者向け自主防災ガイドブックの作成や配布▽聴覚障害当事者と支援者による避難所調査や各種防災訓練への参加とそれを元にした提言▽「防災バンダナ」「手話通訳ビブス」作りと活用など-を実施。避難時に必要な「防災ピクトグラム」も作り9日、市防災危機管理課にデータを贈った。さらに、避難所運営訓練で薬剤師会と情報交換した縁で「薬に関する絵カード」作りにも着手している。
 今月上旬に東京で予定されていた表彰式は緊急事態宣言で中止に。総務省から表彰状が届いた。同ネットワークの淺倉基雄防災対策委員長は「予想外で驚いたが誇らしい気持ち。みんなの工夫が伝われば」と話す。防災対策副委員長でもある平松会長は「ろう者と聴者が輪になって活動できる地域性と、皆さんの協力が受賞につながった。取り組みを多くの人に知ってもらい、輪を広げたい」などと喜びを語った。
【田中博子】

豊橋手話通訳学習者の会と豊橋手話ネットワーク

 豊橋手話通訳学習者の会(豊通会、平松靖一郎会長)と、同会や豊橋市聴覚障害者協会など5団体で作る「豊橋手話ネットワーク」(中谷常也代表)は、総務省消防庁主催の「第25回防災まちづくり大賞」で最高位の「総務大臣賞」に選ばれた。災害弱者の防災力向上に関する優れた取り組みが評価された。

 豊通会は手話を通して聴覚障害者の社会参加促進を支援、防災や手話言語普及に向け活動を展開してきた。また手話ネットワークは、聴覚障害者や手話関係団体が一丸となり、聴覚障害者の福祉向上に取り組んでいる。
 大規模災害時の災害弱者である聴覚障害者の防災対策を図ろうと、日頃から地域の防災訓練や、行政機関、関係団体との合同会議などに積極的に参加。特に、東日本大震災発生翌年の2012年からは、聴覚障害者視点に立った組織的で体系的な防災対策や啓発活動に取り組んできた。聴覚障害者と手話通訳者らが対等な仲間として手を取り合い、地域ぐるみで防災対策を推進するケースは珍しいという。
 具体的な取り組みの一つに地域住民らとの情報伝達支援ツール「避難所でのお知らせ絵カード」の作成がある。避難所で「支援物品を配ります」「困っていることはありますか?」などの場面を絵と文字で説明するカードだ。
 市内の避難所の備品リストにも加わり、救急車にも配備された。その品質の高さから、県内外の自治体からの要望で、データも無償提供している。対応言語も増やしたことで、聴覚障害者だけでなく、外国人にも配慮したツールとして期待されている。
 ほかにも、聴覚障害者向け自主防災ガイドブックの作成や配布▽聴覚障害当事者と支援者による避難所調査や各種防災訓練への参加とそれを元にした提言▽「防災バンダナ」「手話通訳ビブス」作りと活用など-を実施。避難時に必要な「防災ピクトグラム」も作り9日、市防災危機管理課にデータを贈った。さらに、避難所運営訓練で薬剤師会と情報交換した縁で「薬に関する絵カード」作りにも着手している。
 今月上旬に東京で予定されていた表彰式は緊急事態宣言で中止に。総務省から表彰状が届いた。同ネットワークの淺倉基雄防災対策委員長は「予想外で驚いたが誇らしい気持ち。みんなの工夫が伝われば」と話す。防災対策副委員長でもある平松会長は「ろう者と聴者が輪になって活動できる地域性と、皆さんの協力が受賞につながった。取り組みを多くの人に知ってもらい、輪を広げたい」などと喜びを語った。
【田中博子】

受賞を報告する平松さん㊧と淺倉さん=東愛知新聞社で
受賞を報告する平松さん㊧と淺倉さん=東愛知新聞社で
防災イベントへの参加の様子(提供)
防災イベントへの参加の様子(提供)

カテゴリー:社会・経済

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