高校生死亡事故で豊橋署交通課長に聞く
今月4日午後8時10分頃、豊橋市向山大池町の「東三河環状線」の信号機のない横断歩道で自転車に乗った豊川市の男子高校生(16)が乗用車にはねられて死亡する痛ましい事故が起きた。横断歩道がいつからあったのか、なぜ信号機を付けられないのかなどを、豊橋署交通課の本多幸治課長に直接聞いてみた。
―横断歩道はいつ頃にできましたか
◆できた経緯などは書いてありませんが、記録によると1980年には設置されているのを確認しております。
―今回の死亡事故以外にも事故が起きたことはありますか。
◆過去5年間で5件、人身事故が発生しています。
―これまでに自治会などから信号機設置の要望がありましたか。
◆2年前から信号機を設置して欲しいとの要望がありました。
―今まで付けられなかった理由を教えてください。
◆警察庁の信号機設置の指針の中で、隣接する信号機からおおむね150㍍以上の間隔が必要と決まっています。事故が起きた現場は北側の信号機から90㍍、南側の信号機から120㍍に挟まれた場所にあります。
一概に設置しない訳ではありませんが、横断歩道は歩行者優先です。近い場所に全部信号機を付けてしまうと、今度は車の流れが悪くなってしまったり、前後の車両用信号を見間違えるデメリットがあり、断念しています。
―愛知県は、横断歩道の手前で停車する割合は低いですか
◆はい、愛知県は停止率が非常に低くなっています。一番高いのが長野県の68%、続いて多いのが静岡県の52%になっています。愛知県は28%と低い状況で、交通事故につながる恐れがあります。
―歩行者が横断しようとして無視したら処罰になりますか。
◆なります。横断歩道を渡ろうとしている時に通過したら道路交通法違反になります。
―歩行者、自転車が信号のない横断歩道を渡る際、気に掛けることはなんですか
◆最近は止まるようになっていますが、まだまだ止まらない車がいますので、左右をしっかり確認して渡ってほしい。
―夜間は見にくい、街路灯のない場所で気にすることは
◆特に注意して横断してください。反射材を付けるとドライバーが早く気付きます。
―運転手側で気に掛けることは
◆歩行者は守られるものです。横断歩道を渡ろうとしていたら必ず止まってください。夜間で暗い場所はハイビームを活用してください。また、運転中は「かもしれない運転」として予測運転をしてください。
―今後、事故現場の横断歩道はどうなりますか。
◆今回の事故を踏まえて廃止の方向で進めています。横断する際は近くの信号機のある横断歩道を使ってください。
―自治会などの反応はどうですか
◆賛成が大半なんですが、遠くなることや高齢者が歩くのに大変になることから一部反対する方もいます。理解していただくために呼び掛けていきます。
―最後に春の交通安全運動に向けて、豊橋署の取り組みを教えてください。
◆入学シーズンなので子どもに対する交通ルールを教えていきます。ドライバーに対しては横断歩行者妨害の取り締まりを強化していきます。
【林大二朗】
今月4日午後8時10分頃、豊橋市向山大池町の「東三河環状線」の信号機のない横断歩道で自転車に乗った豊川市の男子高校生(16)が乗用車にはねられて死亡する痛ましい事故が起きた。横断歩道がいつからあったのか、なぜ信号機を付けられないのかなどを、豊橋署交通課の本多幸治課長に直接聞いてみた。
―横断歩道はいつ頃にできましたか
◆できた経緯などは書いてありませんが、記録によると1980年には設置されているのを確認しております。
―今回の死亡事故以外にも事故が起きたことはありますか。
◆過去5年間で5件、人身事故が発生しています。
―これまでに自治会などから信号機設置の要望がありましたか。
◆2年前から信号機を設置して欲しいとの要望がありました。
―今まで付けられなかった理由を教えてください。
◆警察庁の信号機設置の指針の中で、隣接する信号機からおおむね150㍍以上の間隔が必要と決まっています。事故が起きた現場は北側の信号機から90㍍、南側の信号機から120㍍に挟まれた場所にあります。
一概に設置しない訳ではありませんが、横断歩道は歩行者優先です。近い場所に全部信号機を付けてしまうと、今度は車の流れが悪くなってしまったり、前後の車両用信号を見間違えるデメリットがあり、断念しています。
―愛知県は、横断歩道の手前で停車する割合は低いですか
◆はい、愛知県は停止率が非常に低くなっています。一番高いのが長野県の68%、続いて多いのが静岡県の52%になっています。愛知県は28%と低い状況で、交通事故につながる恐れがあります。
―歩行者が横断しようとして無視したら処罰になりますか。
◆なります。横断歩道を渡ろうとしている時に通過したら道路交通法違反になります。
―歩行者、自転車が信号のない横断歩道を渡る際、気に掛けることはなんですか
◆最近は止まるようになっていますが、まだまだ止まらない車がいますので、左右をしっかり確認して渡ってほしい。
―夜間は見にくい、街路灯のない場所で気にすることは
◆特に注意して横断してください。反射材を付けるとドライバーが早く気付きます。
―運転手側で気に掛けることは
◆歩行者は守られるものです。横断歩道を渡ろうとしていたら必ず止まってください。夜間で暗い場所はハイビームを活用してください。また、運転中は「かもしれない運転」として予測運転をしてください。
―今後、事故現場の横断歩道はどうなりますか。
◆今回の事故を踏まえて廃止の方向で進めています。横断する際は近くの信号機のある横断歩道を使ってください。
―自治会などの反応はどうですか
◆賛成が大半なんですが、遠くなることや高齢者が歩くのに大変になることから一部反対する方もいます。理解していただくために呼び掛けていきます。
―最後に春の交通安全運動に向けて、豊橋署の取り組みを教えてください。
◆入学シーズンなので子どもに対する交通ルールを教えていきます。ドライバーに対しては横断歩行者妨害の取り締まりを強化していきます。
【林大二朗】