県事業承継・引継ぎ支援センターの豊橋オフィス

　中小企業の事業承継を支援する「県事業承継・引継ぎ支援センター」の豊橋サテライトオフィスが今年度から、豊橋商工会議所に開所した。親族間の承継のほか、経営権譲渡や合併など、幅広い相談に応じる。
　名古屋商工会議所に本部を置く。第三者承継を手掛けてきた「県事業引継ぎ支援センター」と親族内承継を支援する「あいち事業承継ネットワーク」の機能を統合。国の委託事業で、幅広いケースに対応できる支援体制を整えた。
　豊橋サテライトは最初の相談窓口で、承継や企業合併などの実務に詳しい専門家を置いた。ヒアリング診断による課題抽出から、承継先とのマッチングや合併などの本格的な実務は本部を中心に進める。
　事業引継ぎ支援センターを手掛けてきた名古屋商議所によると、前年度の事業承継相談は譲渡案件が１６４件、譲受案件が１３０件あった。成約も57件で、いずれも２０１１年度の開所以来最多を記録した。
　中小企業を取り巻く事業承継の環境は、経営者の高齢化と後継者不足で年々悪化している。新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年の休廃業件数は過去最多の５万件に上った。昨年６月の産業競争力強化法の改正に伴い、国は事業承継の支援を本格化した。
【加藤広宣】