何者かに暴行受け溺死か

田原の海岸で男性遺体　県警捜査１課が殺人事件と断定

　３日午後０時半頃、田原市江比間町惣浦の海岸を散歩中の女性が、あお向けで倒れている男性の遺体を発見し、駐在所に届け出た。男性は豊橋市南栄町の職業不詳小室英夫さん（70）で、司法解剖の結果、何者かに溺死させられた可能性が高いことが判明。県警捜査１課は４日、殺人事件と断定し、豊橋署に捜査本部を設置した。
　午後６時から同署で記者会見した捜査本部によると、遺体は死後２～５日経過しているという。また、小室さん直接の死因は溺死だが、顔や頭などには、打撲によるとみられる複数の傷があった。青あざや裂け傷なとで、何者かに暴行を加えられたらしい。
　小室さんは服は着ていたものの、靴は履いておらず、ほかの遺品は見つかっていない。遺体の状況から何者かが小室さんに危害を加え、殺害したと判断した。
　親族から３日、小室さんが行方不明になったという届け出があり、豊橋署が捜索していたところ、遺体発見の連絡があったという。
　捜査本部の調べでは、小室さんは一人暮らし。今後、交流関係などについて調べる。ただ、近隣とのトラブルがあったという情報もある。
　現場は泉北部集落配水場から北西へ約１００㍍の海岸。現場で血痕などは見つかっておらず、別の場所で殺害されたかどうかは、現段階では分かっていない。
　捜査本部は刑事部長以下90人体制。小室さんの自宅周辺の聞き込みや、遺体の見つかった現場周辺での不審者の目撃情報などについて調べる。
【林大二朗、岸侑輝】