豊橋の「表浜まるごと博物館」が5月末で閉鎖へ
表浜海岸の環境保全などに取り組むNPO法人「表浜ネットワーク」(田中雄二代表)が運営する「表浜まるごと博物館」(豊橋市寺沢町)が5月末で閉鎖する。空き家を活用した活動拠点だったが、賃貸契約の終了が理由。会員たちは「表浜について伝える拠点がなくなり、活動の幅が狭くなる」と話す。
2014年にオープン。木造2階建ての民家を改装した。表浜にまつわる展示をはじめ、学習拠点や宿泊場所として利用してきた。オープンからこれまで約5000人が利用。校区の市立小沢小学校の4年生は毎年訪れ、表浜の自然について学んだ。外国人の利用もあり、表浜の魅力を世界へ発信した。
展示も充実していた。海岸で拾ったごみ、ウミガメの骨、約100種の貝殻などが並び、環境の課題と生物の多様性の両面を伝えてきた。
ごみの展示はペットボトルだけでなく、漁師が使う網などもある。来場者へ「豊漁の場合、魚を置く場所を確保するため、価格が安いナイロン製の漁網を海に投棄するケースがある。この網が海中をただよい生き物に影響を与える」と解説。その理解を深めてきた。
NPOは、大家と契賃貸約延長について交渉したが、かなわなかった。展示物や資料は、美浜町の水族館「南知多ビーチランド」や、一宮市に活動拠点があり環境保全についての演劇に力を入れる劇団「シンデレラ」が引き継ぐ。
事務局長の田中美奈子さんは「表浜の自然について伝える理想の場所になるよう作り上げてきたので残念。活動への影響は大きく、環境保全啓発活動の縮小を余儀なくされそうだ」と話す。
【竹下貴信】
表浜海岸の環境保全などに取り組むNPO法人「表浜ネットワーク」(田中雄二代表)が運営する「表浜まるごと博物館」(豊橋市寺沢町)が5月末で閉鎖する。空き家を活用した活動拠点だったが、賃貸契約の終了が理由。会員たちは「表浜について伝える拠点がなくなり、活動の幅が狭くなる」と話す。
2014年にオープン。木造2階建ての民家を改装した。表浜にまつわる展示をはじめ、学習拠点や宿泊場所として利用してきた。オープンからこれまで約5000人が利用。校区の市立小沢小学校の4年生は毎年訪れ、表浜の自然について学んだ。外国人の利用もあり、表浜の魅力を世界へ発信した。
展示も充実していた。海岸で拾ったごみ、ウミガメの骨、約100種の貝殻などが並び、環境の課題と生物の多様性の両面を伝えてきた。
ごみの展示はペットボトルだけでなく、漁師が使う網などもある。来場者へ「豊漁の場合、魚を置く場所を確保するため、価格が安いナイロン製の漁網を海に投棄するケースがある。この網が海中をただよい生き物に影響を与える」と解説。その理解を深めてきた。
NPOは、大家と契賃貸約延長について交渉したが、かなわなかった。展示物や資料は、美浜町の水族館「南知多ビーチランド」や、一宮市に活動拠点があり環境保全についての演劇に力を入れる劇団「シンデレラ」が引き継ぐ。
事務局長の田中美奈子さんは「表浜の自然について伝える理想の場所になるよう作り上げてきたので残念。活動への影響は大きく、環境保全啓発活動の縮小を余儀なくされそうだ」と話す。
【竹下貴信】