豊橋で「市民大学トラム」始まる

　豊橋市と市内３大学の協働による公開講座「市民大学トラム」（東愛知新聞社後援）が５日、大清水まなび交流館（ミナクル）で始まった。６月は豊橋創造大学が４回にわたり経営学などの講座を開く。新型コロナウイルス感染拡大の影響で学内での講義の代わりにオンラインで実施した。
　この日は市民ら約30人が受講した。経営学部の原木英一講師が「デジタル化とマーケティング変革」をテーマに講義。インターネットの「オンライン」と実店舗の「オフラン」の融合を成功事例で示した。
　「無印良品」を展開する良品計画の例では、顧客の囲い込みに使っていた会員カードをスマートフォンのアプリに改めた２０１３年以降の変化を紹介した。
　販売商品名と数程度しか分からないカードと異なり、アプリでは購買層から購入前後の要望や満足度まで把握できる。客と常につながるコミュニケーションが容易になった利点を挙げた。
　原木講師は、消費者理解と商品差別化といった本質を踏まえ「同業他社と異なるポジショニング」を説いた。顧客データの活用では「継続的なつながりを保ち、顧客利益にかなった提案をしつつ全社的に情報共有すべき」とこれからのマーケティングのあり方についても助言した。
　豊橋創造大学の講座は26日まで。19日以降の大学内での聴講は、コロナ感染状況から判断する。11月には愛知大学、来年２月には豊橋技術科学大学で開講予定。
【加藤広宣】