田原市博物館で「渡辺崋山」と友人らの作品展示

　田原市博物館特別展示室で「崋山と友人たち　曲亭馬琴　桜間青厓　岡本秋暉」が開かれている。渡辺崋山の交友を作品とともに紹介する展示で、同館所蔵品を中心に、重要文化財、重要美術品を含む２３種を展示紹介している。２０日まで。
　曲亭馬琴は滝沢馬琴とも呼ばれ、江戸時代後期のベストセラー小説「南総里見八犬伝」の作者として知られている。馬琴の息子が崋山と同じく金子金陵を師としていたことから交友が生まれ、崋山とは本を貸し借りする仲だったという。桜間青厓は山水画の名手とされる画家。岡崎藩士で、崋山や椿椿山と交友関係にあった。「蛮社の獄」で崋山が捕らえられた際には崋山のために動いたとされる一人という。岡本秋暉は画家で小田原藩藩士。写生に基づく花鳥画を得意とし、崋山らと付き合いがあった。
　会場では、崋山による見応えある「東銘屏風（びょうぶ）」「西銘屏風」をはじめ、馬琴にあてた崋山の書状、山形県指定文化財「溪澗野雉図（けいかんやちず）」の複製、曲亭馬琴著の「南総里見八犬伝」や「新編　水滸画伝」、岡本秋暉の「梅花孔雀図」、桜間青厓「雪景山水図」「王羲之図」などの作品が鑑賞できる。
【田中博子】