豊橋にワクチン大規模集団接種会場開所

　県は10日、豊橋市中浜町の旧結婚式場（旧マリエール豊橋）で、新型コロナワクチンの大規模集団接種会場を開所した。この豊橋中央会場は東三河５市の住民を対象に８月28日まで続け、１日約１０００人の接種を見込む。初日は大村秀章知事ら関係者が開所式に出席した。
　豊橋中央会場は県内７番目の会場で、他の会場と同じモデルナ社製ワクチンを使う。受け付けから接種までを披露宴会場のホールで実施し、経過観察の待機所などを別室に設けた。
　接種日数は市で異なり、豊橋市は23日（計46日）。田原市も22日（計44日）が割り当てられる。他の３市は６～12日間（計12～24日間）だが、蒲郡市は藤田医科大学岡崎医療センターでも接種可能。期間中は豊橋駅、豊川駅前から直通バスを運行する。
　大村知事はスタッフらを前に「現在稼働中の６会場では１日計８０００人規模で接種が進んでいる。計画より１割増しのペースだ。ワクチン接種は感染拡大を防ぐカギで、長丁場だが東三河の県民の健康を守りたい」と述べた。
　初日は豊橋市と田原市から約１０００人が接種を受けた。64歳以下の現役世代、職域接種を使った会社員など、さまざまな希望者が訪れた。
　田原市の会社員尾崎友一さん（47）は「妻と時期をずらして接種しようと思い、すぐにできる方法を探した。自粛ばかりでは経済も成り立たない。早く世間に行き渡れば」と話した。
　同じ田原市の鈴木みゆきさん（39）は「６月下旬に市のサイトで40歳未満の予約が困難になると知り、すぐにこちらでの接種に切り替えた。小学生の子がおり、ひとまず接種にこぎつけてよかった」とホッとした様子で話した。
　豊橋市内の勤務先での職域接種で訪れた豊川市在住の男性（50）は「医療関係者の妻はすでに打ち終えたが、十代の子ども２人がだいぶ先になる。待っていてはだめで、１日も早く終えたい気持ちだった」と思いを語った。
　同じ職域接種で予約したという豊橋市の男性（57）は「予約しても断られた知人がおり、50代の妻も困惑していた。今後は自治体の接種予約がより難しくなると聞き、大規模接種で選択の幅が広がるのはいいことだ」と喜んだ。
【加藤広宣】