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制限緩和に「あいスタ」

営業再開へ食材を仕込む白井さん=駅前大通2「げんこつやま」で
営業再開へ食材を仕込む白井さん=駅前大通2「げんこつやま」で

現地確認調査の順番待ち多い現状

 緊急事態宣言は9月末で解除され、県独自の厳重警戒宣言に移行した。期限は17日まで。飲食店の時短営業や酒類提供の制限は段階的に緩和されるが、その度合いは第三者認証制度「ニューあいちスタンダード」(通称、あいスタ)の有無で異なる。制限緩和を受けるのに不可欠な認証も、さまざまな事情で届かない店が大多数に上る。
 県の感染対策で昨年度設けた「安全・安心宣言施設」が自己申告制なのに対し、「あいスタ」認証は第三者の調査員が取り組み状況を現地で確認する。アクリル板など感染防止の備品や換気対策など計50項目。ウェブ申請が大半だが、電話によって紙の手続きも申し込める。
 豊橋市駅前大通2で居酒屋「げんこつやま」を営む白井紀安さん(49)は、4日からの営業再開に向けて仕込みに入った。あいスタは申請から半月たった今も現地確認調査の予定が決まっていないという。
 認証制度ができた当初から検討していたが、古参従業員の離職など経営環境の激変で、手続きが9月にずれ込んだ。「出遅れたが、ここまで待つとは。調査員の来店連絡もない」と不安気に語った。
 認証がなくても、営業時間が1時間短いだけだ。白井さんは「極端な格差がないのは幸いだが、今後は分からない。淘汰(とうた)の一因になるのが恐い」という。
 一方で「制度はコロナ対策の一過性に終わらせず、ほかの感染症も見通すなど長期的な視点で制度設計してほしい」と注文した。
     ◇
 あいスタ認証を担当する県防災危機管理課によると、対象となる飲食店は県内に約4万店。9月末現在で1万3838店が認証を受けた。豊橋市内では約1500店のうちの408店で3割に満たない。
 緊急事態宣言の解除に際し、国は認証店を対象に時短営業や酒類提供などの制限を緩める考えを示した。この方針を受けて9月28日以降は1日1000件を超えた。8月の1日平均103件を約10倍上回り、すべての対象店舗数に迫る勢いだ。
 民間に事業委託する現地確認の調査員は80人体制という。申請急増で順番待ちが増え、現在は県職員を新たに調査業務に投入した。大村秀章知事も速やかな申請店の調査を指示した。
【加藤広宣】

現地確認調査の順番待ち多い現状

 緊急事態宣言は9月末で解除され、県独自の厳重警戒宣言に移行した。期限は17日まで。飲食店の時短営業や酒類提供の制限は段階的に緩和されるが、その度合いは第三者認証制度「ニューあいちスタンダード」(通称、あいスタ)の有無で異なる。制限緩和を受けるのに不可欠な認証も、さまざまな事情で届かない店が大多数に上る。
 県の感染対策で昨年度設けた「安全・安心宣言施設」が自己申告制なのに対し、「あいスタ」認証は第三者の調査員が取り組み状況を現地で確認する。アクリル板など感染防止の備品や換気対策など計50項目。ウェブ申請が大半だが、電話によって紙の手続きも申し込める。
 豊橋市駅前大通2で居酒屋「げんこつやま」を営む白井紀安さん(49)は、4日からの営業再開に向けて仕込みに入った。あいスタは申請から半月たった今も現地確認調査の予定が決まっていないという。
 認証制度ができた当初から検討していたが、古参従業員の離職など経営環境の激変で、手続きが9月にずれ込んだ。「出遅れたが、ここまで待つとは。調査員の来店連絡もない」と不安気に語った。
 認証がなくても、営業時間が1時間短いだけだ。白井さんは「極端な格差がないのは幸いだが、今後は分からない。淘汰(とうた)の一因になるのが恐い」という。
 一方で「制度はコロナ対策の一過性に終わらせず、ほかの感染症も見通すなど長期的な視点で制度設計してほしい」と注文した。
     ◇
 あいスタ認証を担当する県防災危機管理課によると、対象となる飲食店は県内に約4万店。9月末現在で1万3838店が認証を受けた。豊橋市内では約1500店のうちの408店で3割に満たない。
 緊急事態宣言の解除に際し、国は認証店を対象に時短営業や酒類提供などの制限を緩める考えを示した。この方針を受けて9月28日以降は1日1000件を超えた。8月の1日平均103件を約10倍上回り、すべての対象店舗数に迫る勢いだ。
 民間に事業委託する現地確認の調査員は80人体制という。申請急増で順番待ちが増え、現在は県職員を新たに調査業務に投入した。大村秀章知事も速やかな申請店の調査を指示した。
【加藤広宣】

営業再開へ食材を仕込む白井さん=駅前大通2「げんこつやま」で
営業再開へ食材を仕込む白井さん=駅前大通2「げんこつやま」で

カテゴリー:社会・経済

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