「雲影センサー」で太陽光発電量を予測
豊橋技科大・滝川教授グループが開発
豊橋技術科学大学の滝川浩史教授(電気・電子情報工学系)の研究グループは、雲の動きから日射量を把握して、太陽光発電施設で発電量を予測するシステムを開発した。実施中の観測実験を経て実用化開発を目指す。地球温暖化対策の鍵を握る再生可能エネルギーを生かした電力安定供給に弾みをつけたい考えだ。
太陽光発電での電力安定供給には、日射量を正確に予測して発電パネルに効率よく太陽光を取り込む必要がある。そこで発電所周囲に設けた「雲影センサー」で太陽光を遮る雲の動きを捉え、正確な日射量を予測。無線で送った観測データを解析するシステムを共同開発した。
雲影センサーには全天球カメラを積み、雲を観測して画像解析法を駆使して次に動く方向を割り出す。カメラ周辺に置いた日射計で電柱や建物の屋根など、日照を妨げる人工影を取り除く仕組みを備える。
センサーは、豊橋技科大の実験用発電設備を中心とする二つの同心円状に2・5~5・0㌔間隔で17カ所配置した。観測データの解析とAI(人工知能)による機械学習で精度を高め、太陽光発電の出力を5分~1時間先まで予測できる。
今後は豊川や蒲郡、田原など東三河一円まで実験箇所を広げ、大規模太陽光発電所や複数施設での同時試験などを経て実用化にめどを立てたい考えだ。
システム開発を手掛けるエイム(西幸町)と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて取り組んでいる。
2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進には、太陽光など自然を生かした再生可能エネルギーの普及が欠かせない。一方、天候に左右されない安定供給が課題だ。
滝川教授は「再エネ事業者も参入しての電力自由取引が来年度から始まる。予測システムを生かした安定供給で需給調整ニーズに対応したい」と語った。
【加藤広宣】
豊橋技科大・滝川教授グループが開発
豊橋技術科学大学の滝川浩史教授(電気・電子情報工学系)の研究グループは、雲の動きから日射量を把握して、太陽光発電施設で発電量を予測するシステムを開発した。実施中の観測実験を経て実用化開発を目指す。地球温暖化対策の鍵を握る再生可能エネルギーを生かした電力安定供給に弾みをつけたい考えだ。
太陽光発電での電力安定供給には、日射量を正確に予測して発電パネルに効率よく太陽光を取り込む必要がある。そこで発電所周囲に設けた「雲影センサー」で太陽光を遮る雲の動きを捉え、正確な日射量を予測。無線で送った観測データを解析するシステムを共同開発した。
雲影センサーには全天球カメラを積み、雲を観測して画像解析法を駆使して次に動く方向を割り出す。カメラ周辺に置いた日射計で電柱や建物の屋根など、日照を妨げる人工影を取り除く仕組みを備える。
センサーは、豊橋技科大の実験用発電設備を中心とする二つの同心円状に2・5~5・0㌔間隔で17カ所配置した。観測データの解析とAI(人工知能)による機械学習で精度を高め、太陽光発電の出力を5分~1時間先まで予測できる。
今後は豊川や蒲郡、田原など東三河一円まで実験箇所を広げ、大規模太陽光発電所や複数施設での同時試験などを経て実用化にめどを立てたい考えだ。
システム開発を手掛けるエイム(西幸町)と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて取り組んでいる。
2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進には、太陽光など自然を生かした再生可能エネルギーの普及が欠かせない。一方、天候に左右されない安定供給が課題だ。
滝川教授は「再エネ事業者も参入しての電力自由取引が来年度から始まる。予測システムを生かした安定供給で需給調整ニーズに対応したい」と語った。
【加藤広宣】