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口明塚南古墳に大型の横穴式石室 豊橋市が発掘調査

大型の横穴式が見つかった口明塚南古墳=石巻本町で(提供)
大型の横穴式が見つかった口明塚南古墳=石巻本町で(提供)
石室内の立柱には1㍍超の石灰岩が使われた
石室内の立柱には1㍍超の石灰岩が使われた

 豊橋市は11日、国史跡「馬越長火塚古墳群」(石巻本町)の整備基本計画を目的とした発掘調査で、古墳群の一つ「口明塚(くちあけづか)南古墳」で大型の横穴式石室が見つかったと発表した。市文化財センターによると石室内を分ける材料に石灰岩を使うなど、調査済みの二つの墳墓と同じ様式を引き継いでいるという。
 2016年の国史跡指定に伴い20年度から調査を始めた。今回の調査で石室の規模や構造を明らかにし、史跡整備基本計画の作成に生かす。すでに調査を終えた「馬越長火塚古墳」(前方後円墳、70㍍)と「大塚南古墳」(円墳、23㍍)を加えた3基からなる。
 口明塚古墳は直径23㍍の円墳で古墳時代終末期の7世紀前半に築かれた。古墳群ではもっとも新しく、ほかの2基と同様にこの地域を治めた豪族「穂国造(ほのくにぞう)」の子孫が葬られたとみられる。
 見つかった石室は全長10㍍、最大幅2㍍で1㍍超の大型石材を使っている。石材を抜き取るため破壊されたが、現場に残った石材の様子などから大きさが分かった。
 柱状の石材を立てて室内を分ける「立柱」は独特の様式で、ほかの二つとも類似する。近隣の古墳がチャート岩を使ったのに対し、古墳群では石灰岩にこだわった点も共通している。
 岩原剛センター所長によると「石室の小型化が進んだ同時代の遺構とは異なる。三代にわたり石灰岩を使うこだわりなどから権力の大きさもうかがえる」と説く。
 無料見学会を22日午前9時半から開く。口明塚古墳の説明は午前10時半から計4回。当日は馬越町集会所で受付窓口を開く。問い合わせは市文化財センター(0532・56・6060)へ。
【加藤広宣】

 豊橋市は11日、国史跡「馬越長火塚古墳群」(石巻本町)の整備基本計画を目的とした発掘調査で、古墳群の一つ「口明塚(くちあけづか)南古墳」で大型の横穴式石室が見つかったと発表した。市文化財センターによると石室内を分ける材料に石灰岩を使うなど、調査済みの二つの墳墓と同じ様式を引き継いでいるという。
 2016年の国史跡指定に伴い20年度から調査を始めた。今回の調査で石室の規模や構造を明らかにし、史跡整備基本計画の作成に生かす。すでに調査を終えた「馬越長火塚古墳」(前方後円墳、70㍍)と「大塚南古墳」(円墳、23㍍)を加えた3基からなる。
 口明塚古墳は直径23㍍の円墳で古墳時代終末期の7世紀前半に築かれた。古墳群ではもっとも新しく、ほかの2基と同様にこの地域を治めた豪族「穂国造(ほのくにぞう)」の子孫が葬られたとみられる。
 見つかった石室は全長10㍍、最大幅2㍍で1㍍超の大型石材を使っている。石材を抜き取るため破壊されたが、現場に残った石材の様子などから大きさが分かった。
 柱状の石材を立てて室内を分ける「立柱」は独特の様式で、ほかの二つとも類似する。近隣の古墳がチャート岩を使ったのに対し、古墳群では石灰岩にこだわった点も共通している。
 岩原剛センター所長によると「石室の小型化が進んだ同時代の遺構とは異なる。三代にわたり石灰岩を使うこだわりなどから権力の大きさもうかがえる」と説く。
 無料見学会を22日午前9時半から開く。口明塚古墳の説明は午前10時半から計4回。当日は馬越町集会所で受付窓口を開く。問い合わせは市文化財センター(0532・56・6060)へ。
【加藤広宣】

大型の横穴式が見つかった口明塚南古墳=石巻本町で(提供)
大型の横穴式が見つかった口明塚南古墳=石巻本町で(提供)
石室内の立柱には1㍍超の石灰岩が使われた
石室内の立柱には1㍍超の石灰岩が使われた

カテゴリー:社会・経済

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