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豊橋市が略式代執行で「特定空家」解体開始

生い茂った草木から取り除く作業員=石巻平野町で
生い茂った草木から取り除く作業員=石巻平野町で

 豊橋市は20日、所有者不在で「特定空家等」とされていた石巻平野町の木造住宅で、市の略式代執行による解体除去を始めた。火災に遭ったままの状態で、遺族らも相続放棄して管理が行き届かず、近隣からの相談もあって踏み切った。空家を取り巻く状況が深刻化する中、市は今後も「実態の把握と防止に努める」としている。
 市によるとこの空家は高齢男性が1人暮らししていた。2018年の火災で延べ約274平方㍍を全焼。男性はその後亡くなり、構造や外壁などが焼け残った状態で放置された。台風などで残った建材が飛び散るなど、影響を心配する近隣住民の相談を受け、国の特別措置法に沿って略式代執行による解体を決めた。
 この日は市職員と解体業者で現場を訪ねた。立ち会う所有者がいない状態で、建築物安全推進課の尾崎弘明課長が執行理由などを読み上げたのに続き作業に入った。
 建物周囲には草木が生い茂り、入口からも奥の家屋が見えづらい。重機が入れるよう、作業員はチェーンソーや草刈り機で足場を徐々に広げていった。約2週間かけて更地に戻すという。
 今回は所有者が亡くなり相続人も不在で、自治体による略式代執行。解体費約500万円は市が負担する。市では「相続放棄もあって説得すべき相手がおらず、近隣の安全確保から略式措置を急いだ」と説明する。
 市は16年作成の「空家等対策計画」で、データベースに登録された空家169件を10年間で100件、その5年後に半減させる目標を立てた。
 総務省統計を元に算出した市内の状況は、住宅約16万6630戸に対し空家2万1510戸で12・9%。個人所有の戸建てが25%を超え、相続状況で空家になる可能性がある予備軍という。
 尾崎課長は「相続について早めに親族で話し合うなど、当事者の意識を高める啓発活動が欠かせない」と話す。
【加藤広宣】

 豊橋市は20日、所有者不在で「特定空家等」とされていた石巻平野町の木造住宅で、市の略式代執行による解体除去を始めた。火災に遭ったままの状態で、遺族らも相続放棄して管理が行き届かず、近隣からの相談もあって踏み切った。空家を取り巻く状況が深刻化する中、市は今後も「実態の把握と防止に努める」としている。
 市によるとこの空家は高齢男性が1人暮らししていた。2018年の火災で延べ約274平方㍍を全焼。男性はその後亡くなり、構造や外壁などが焼け残った状態で放置された。台風などで残った建材が飛び散るなど、影響を心配する近隣住民の相談を受け、国の特別措置法に沿って略式代執行による解体を決めた。
 この日は市職員と解体業者で現場を訪ねた。立ち会う所有者がいない状態で、建築物安全推進課の尾崎弘明課長が執行理由などを読み上げたのに続き作業に入った。
 建物周囲には草木が生い茂り、入口からも奥の家屋が見えづらい。重機が入れるよう、作業員はチェーンソーや草刈り機で足場を徐々に広げていった。約2週間かけて更地に戻すという。
 今回は所有者が亡くなり相続人も不在で、自治体による略式代執行。解体費約500万円は市が負担する。市では「相続放棄もあって説得すべき相手がおらず、近隣の安全確保から略式措置を急いだ」と説明する。
 市は16年作成の「空家等対策計画」で、データベースに登録された空家169件を10年間で100件、その5年後に半減させる目標を立てた。
 総務省統計を元に算出した市内の状況は、住宅約16万6630戸に対し空家2万1510戸で12・9%。個人所有の戸建てが25%を超え、相続状況で空家になる可能性がある予備軍という。
 尾崎課長は「相続について早めに親族で話し合うなど、当事者の意識を高める啓発活動が欠かせない」と話す。
【加藤広宣】

生い茂った草木から取り除く作業員=石巻平野町で
生い茂った草木から取り除く作業員=石巻平野町で

カテゴリー:社会・経済

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