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移動型トイレの需要が高まる

Gテクノが生産する移動型トイレ
Gテクノが生産する移動型トイレ

豊川市宿町佐平山の建設業「Gテクノ」が生産する移動型のトイレの需要が高まっている。電気、水道、下水道がなくても家庭の水洗トイレと同じように使うことができる。さらに独自の技術で仮設トイレ特有の悪臭を出さない。このため、高層マンションや道路の建設現場だけでなく観光農園や被災地などで設置されている。
 幅約1・5㍍、奥行き約1・5㍍で、従来の仮設トイレよりも広いうえ、1㌧トラックで移動可能。屋根の上には太陽光パネルが設置され、室内の電灯、便座の温め、シャワートイレの温水などに電力を使っても最大で1週間分の消費電力を賄うことができる。外部電源とのを接続も可能。
 簡易水洗ではなく家庭と同様の水洗トイレのうえ、汚水は室外にある別のタンクに特別な処理をして送り込むため、仮設トイレ特有の悪臭を防げる。当初、工事現場や仮設事務所などのトイレとしての利用を想定して製造していた。
 しかし、壁や部品を分解して移動できる機動性や、悪臭が出にくいことなどから、建設現場も高層マンションの上層部など利用範囲が広がった。畑や公園、被災地向けなど幅広い分野で需要が急増しているという。豊橋市駅前大通2の再開発ビル「emCAMPUS(エムキャンパス)」の建設中に、上層階に設置されていた。常滑市の観光農園でも利用されているなど、大手企業や自治体からの発注が相次いでいる。さらなる需要の高まりが予想される。

取材後記

 阪神大震災や東日本大震災など大きな災害を受けて個人や行政の意識が高まり、水、食料の備蓄は進んでいる。その一方で、大きな課題となっているのが「トイレ」であり、避難施設を中長期的に運営し続けることができるかということだ。
 「トイレが不潔↓あまり行きたくない↓水分を摂りたがらなくなる↓体調の悪化」を経験したことのある被災者も少なくない。不潔な状態でトイレから汚水があふれたり悪臭が避難所周辺に漂ったりすると衛生上深刻な影響を及ぼす。
 南海トラフ大地震がいつ起きるか分からない。過去の被災地の取材経験から言って、トイレが足りないという問題が生じなかった被災地はない。喫緊の対策が各自治体に求められている。
(客員編集委員・関健一郎)

豊川市宿町佐平山の建設業「Gテクノ」が生産する移動型のトイレの需要が高まっている。電気、水道、下水道がなくても家庭の水洗トイレと同じように使うことができる。さらに独自の技術で仮設トイレ特有の悪臭を出さない。このため、高層マンションや道路の建設現場だけでなく観光農園や被災地などで設置されている。
 幅約1・5㍍、奥行き約1・5㍍で、従来の仮設トイレよりも広いうえ、1㌧トラックで移動可能。屋根の上には太陽光パネルが設置され、室内の電灯、便座の温め、シャワートイレの温水などに電力を使っても最大で1週間分の消費電力を賄うことができる。外部電源とのを接続も可能。
 簡易水洗ではなく家庭と同様の水洗トイレのうえ、汚水は室外にある別のタンクに特別な処理をして送り込むため、仮設トイレ特有の悪臭を防げる。当初、工事現場や仮設事務所などのトイレとしての利用を想定して製造していた。
 しかし、壁や部品を分解して移動できる機動性や、悪臭が出にくいことなどから、建設現場も高層マンションの上層部など利用範囲が広がった。畑や公園、被災地向けなど幅広い分野で需要が急増しているという。豊橋市駅前大通2の再開発ビル「emCAMPUS(エムキャンパス)」の建設中に、上層階に設置されていた。常滑市の観光農園でも利用されているなど、大手企業や自治体からの発注が相次いでいる。さらなる需要の高まりが予想される。

取材後記

 阪神大震災や東日本大震災など大きな災害を受けて個人や行政の意識が高まり、水、食料の備蓄は進んでいる。その一方で、大きな課題となっているのが「トイレ」であり、避難施設を中長期的に運営し続けることができるかということだ。
 「トイレが不潔↓あまり行きたくない↓水分を摂りたがらなくなる↓体調の悪化」を経験したことのある被災者も少なくない。不潔な状態でトイレから汚水があふれたり悪臭が避難所周辺に漂ったりすると衛生上深刻な影響を及ぼす。
 南海トラフ大地震がいつ起きるか分からない。過去の被災地の取材経験から言って、トイレが足りないという問題が生じなかった被災地はない。喫緊の対策が各自治体に求められている。
(客員編集委員・関健一郎)

Gテクノが生産する移動型トイレ
Gテクノが生産する移動型トイレ

カテゴリー:社会・経済

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