豊橋商議所「都市デザイン賞」にミナト設備工業本社

　豊橋商工会議所は11日の定例記者会見で、都市景観との調和など優れた建築物をたたえる「第34回都市デザイン文化賞」に、ミナト設備工業（豊橋市前田南２）の社屋を選んだと発表した。表彰式は23日の通常議員総会席上で実施する。
　鉄筋コンクリート造３階建て、昨年５月に本社社屋として完成した。設計施工はオノコム（鍵田町）が手掛けた。
　命を育む水や空気、自然を重んじる同社の意思を社屋外観に込めた。白を基調にした外観と複雑に屈曲したような壁面とガラス窓で山々と谷間を表している。
　外壁に組み込んだ間接照明で夜間は壁面を浮き立たせる効果がある。外壁の隙間に設けたガラス壁には、滝が流れ落ちる映像を投影するなど夜景として楽しめる。１階の壁は熟練の仕上げ技術で木目を生かしたデザインとした。
　中村徹社長は「会社の思いを反映した建物に仕上がった。奇抜に見えるデザインに驚いたが、街並みに溶け込んでいくのが実感できた。設備業界のイメージアップや地域のランドマークにつながれば」と喜んだ。
　審査委員長の伊藤晴康豊橋創造大学学長は「とても目立つ外観が特徴だが、随所にみられる工夫で周囲との調和も取れている」と評価した。
　都市デザイン賞は１９８８年に制定。今年度は７件の応募があった。完成から３年以内に新築、改築改修した建物を対象に周辺の街並みや景観との相性なども選考基準となる。これまで70件の建物が選ばれている。
【加藤広宣】