ペットと一緒に避難

　蒲郡市危機管理課は、飼い主向けの「ペット防災手帳」と、避難所運営者のためのペット同行避難マニュアルを作った。同行避難は、地震や風水害で飼い主がペットと一緒に避難する。災害時にペットを置き去りにせず、避難所でのトラブル回避を目指す。
　市内には、登録されている犬が１月現在で約４１００頭いる。猫も同じ程度いるとされる。市は、避難所運営マニュアルの中でペット受け入れ方法について記載しており、避難所では受け入れる方針。ただ、小規模の避難所では混乱も予想される。
　東日本大震災ではペットが飼い主の自宅などに取り残された事例があった。獣医師会などが被災動物を救護した。現在は、過去の事例から同行避難の考えが広まっている。
　今回、すべてに携わった同課の西浦淳子さんは自身が動物が好きだったことから、課に入って以降、ペットと災害について調べた。そして市のマニュアルが読みづらいと感じ、災害発生直後の混乱の中で、ペットの受け入れを円滑にできるよう運営者と飼い主に伝えようと作った。
　運営者のマニュアルは、避難所でのペットの受け入れの流れから飼育スペースを避難所外の軒下設置する例や、同行避難者の受け入れ手順、世話について記した。
　飼い主の防災手帳は、ペットの情報や災害の知識、マイクロチップの取り付けやノミ、ダニなどの感染症対策といった日頃の備えを記載した。
　西浦さんは「ペットの防災に考えることは、飼い主の防災につながる。手に取って災害について考えてほしい」と話した。
　マニュアルは新年度の自主防災会で配る。防災手帳は危機管理課窓口や市役所１階玄関案内所、市ホームページ＝ＱＲコード＝からダウンロードできる。
　他の東三河４市の避難所でのペットの対応は、新城市と豊川市はペットの登録受け付けをしており、各避難所の運営委員会が判断する。
　田原市は基本的に受け入れる。大規模災害時には多くの人が過ごす避難場所では、控えてもらうことがあるという。そして、ケージに入れることができる犬や猫は別の部屋で過ごしてもらう必要がある。
　豊橋市は避難所運営委員会で「衛生班」を編成し、飼育場所や管理方法などについて対応する。大型動物や危険動物は同行避難できないとしている。
【林大二朗】