文字の大きさ

豊根でキャビアの生産始まる

キャビアを持つ熊谷さん=いずれも豊根村で
キャビアを持つ熊谷さん=いずれも豊根村で
試食したコース料理
試食したコース料理
試食する大村知事
試食する大村知事

 豊根村内で養殖されるチョウザメの卵からつくる「キャビア」の生産が始まった。養殖開始から10年目。10日には発表会があり、大村秀章知事らが試食した。村はふるさと納税の返礼品にとして、予約受け付けを始めた。新たな特産品として期待がかかる。

 元トラック運転手で村に住む熊谷仁志さんが有志団体「豊根フィッシュファーマーズ」を立ち上げたのが2012年。チョウザメは淡水魚で冷水に強く100年も生きるとされる。村には天竜川水系のきれいな水資源がある。また、世界三大珍味は国内生産量が少ない。この強みで「キャビア丼を食べるか」と一念発起して村の起業家支援補助金を活用し、事業をスタートした。
 茨城県の業者から稚魚1000匹を購入した。試行錯誤を続け、19年には5000匹まで増えた。水槽は当初1基だったのは現在24基まで拡充した。水槽は雄と雌の年齢ごとに分けており、9~10年目の雌は体調1㍍以上に成長し、卵を抱えている。
 キャビアにできる大きさの卵に育つには10年が必要という。昨年度は村の協力を受けて村内に加工場を整備し、熊谷さんが魚のさばき方を学んだ。
 採卵と加工は冬場が適しており、2月には報道陣に作業が公開された。「検卵」といい、粒の大きさ、硬さ、弾力性を確かめる。加工場では熊谷さんがチョウザメの腹部を切り、卵膜にそって卵を取り出した。1匹からは平均625㌘(25㌘入り瓶25個分)がとれるという。
 昨春には村で育った魚からとった卵と精子を使っての人工授精と、ふ化に成功した。さらに5000匹が増えている。国内では、ふ化からキャビアの生産まで手掛けるのは珍しく、熊谷さんは「正真正銘の豊根村産キャビアの生産にチャレンジしたい」と話す。
 3月末まで地域おこし協力隊として養殖活動を教えてもらった小早川武史さんも水槽4基で飼育に取り組む。「熊谷さんから学んだ技術を受け継いで頑張ります」と意気込んでいる。
 雄は「ロイヤルフィッシュ」としてすでにブランド化している。魚肉を村内4カ所(道の駅「豊根グリーンポート宮嶋」▽レストランみどり▽休暇村茶臼山高原▽御宿清水館)-で、すしやコース料理にして提供している。
 村は、ふるさと納税の返礼品に「キャビア(25㌘)と切り身(100㌘)のセット」を加えた。寄付額5万円以上のリターン。「ふるさとチョイス」で予約を受け付けている。早ければ5月にも発送する。
 村民ホールであった発表会では大村知事や自民党の今枝宗一郎衆院議員、峰野修県議ら27人が出席。伊藤実村長は「過疎化が進む中、常に新しいことにチャレンジして村が元気になるように頑張っていきたい」とあいさつした。
 試食会の料理は豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」の今里武総料理長が調理。キャビアはクリームチーズと一緒にパンケーキにつけた。切り身の蒸し料理にも添えた。大村知事は「地産地消の本格的なキャビア。おいしい」と感想を述べた。
 熊谷さんは「関係者に感謝します。ここからがスタート。皆さんとチャレンジを続けたい」とあいさつした。
【安藤聡】

 豊根村内で養殖されるチョウザメの卵からつくる「キャビア」の生産が始まった。養殖開始から10年目。10日には発表会があり、大村秀章知事らが試食した。村はふるさと納税の返礼品にとして、予約受け付けを始めた。新たな特産品として期待がかかる。

 元トラック運転手で村に住む熊谷仁志さんが有志団体「豊根フィッシュファーマーズ」を立ち上げたのが2012年。チョウザメは淡水魚で冷水に強く100年も生きるとされる。村には天竜川水系のきれいな水資源がある。また、世界三大珍味は国内生産量が少ない。この強みで「キャビア丼を食べるか」と一念発起して村の起業家支援補助金を活用し、事業をスタートした。
 茨城県の業者から稚魚1000匹を購入した。試行錯誤を続け、19年には5000匹まで増えた。水槽は当初1基だったのは現在24基まで拡充した。水槽は雄と雌の年齢ごとに分けており、9~10年目の雌は体調1㍍以上に成長し、卵を抱えている。
 キャビアにできる大きさの卵に育つには10年が必要という。昨年度は村の協力を受けて村内に加工場を整備し、熊谷さんが魚のさばき方を学んだ。
 採卵と加工は冬場が適しており、2月には報道陣に作業が公開された。「検卵」といい、粒の大きさ、硬さ、弾力性を確かめる。加工場では熊谷さんがチョウザメの腹部を切り、卵膜にそって卵を取り出した。1匹からは平均625㌘(25㌘入り瓶25個分)がとれるという。
 昨春には村で育った魚からとった卵と精子を使っての人工授精と、ふ化に成功した。さらに5000匹が増えている。国内では、ふ化からキャビアの生産まで手掛けるのは珍しく、熊谷さんは「正真正銘の豊根村産キャビアの生産にチャレンジしたい」と話す。
 3月末まで地域おこし協力隊として養殖活動を教えてもらった小早川武史さんも水槽4基で飼育に取り組む。「熊谷さんから学んだ技術を受け継いで頑張ります」と意気込んでいる。
 雄は「ロイヤルフィッシュ」としてすでにブランド化している。魚肉を村内4カ所(道の駅「豊根グリーンポート宮嶋」▽レストランみどり▽休暇村茶臼山高原▽御宿清水館)-で、すしやコース料理にして提供している。
 村は、ふるさと納税の返礼品に「キャビア(25㌘)と切り身(100㌘)のセット」を加えた。寄付額5万円以上のリターン。「ふるさとチョイス」で予約を受け付けている。早ければ5月にも発送する。
 村民ホールであった発表会では大村知事や自民党の今枝宗一郎衆院議員、峰野修県議ら27人が出席。伊藤実村長は「過疎化が進む中、常に新しいことにチャレンジして村が元気になるように頑張っていきたい」とあいさつした。
 試食会の料理は豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」の今里武総料理長が調理。キャビアはクリームチーズと一緒にパンケーキにつけた。切り身の蒸し料理にも添えた。大村知事は「地産地消の本格的なキャビア。おいしい」と感想を述べた。
 熊谷さんは「関係者に感謝します。ここからがスタート。皆さんとチャレンジを続けたい」とあいさつした。
【安藤聡】

キャビアを持つ熊谷さん=いずれも豊根村で
キャビアを持つ熊谷さん=いずれも豊根村で
試食したコース料理
試食したコース料理
試食する大村知事
試食する大村知事

カテゴリー:社会・経済

 PR

PR