グリーンニクスが文科省事業拠点に

豊橋技科大など参加

　日本の半導体産業の復興を目指し、豊橋技術科学大学が参加する「集積Ｇｒｅｅｎ－ｎⅰＸ（グリーンニクス）研究・人材育成拠点」が、次世代拠点づくりを図る文部科学省の事業拠点に採択された。有力視される省エネ技術など新たな付加価値を持つ革新的技術の研究開発やそれを管理する人材を育み、市場勢力を一変させる「ゲームチェンジ」の実現を期待されている。
　東京工業大学を代表機関に、豊橋技科大と広島大学が拠点サブリーダーとする枠組みで、文科省「次世代Ｘ－ｎｉｃｓ半導体創生拠点形成事業」に４月12日に採択された。
　３大学の枠組み「集積グリーンニクス」は、環境性を意識したグリーン経済市場を視野に研究開発や人材育成を図る。低消費電力化といった新製品やサービスの開発に不可欠となる「グリーン貢献度」を評価軸に加えた上で、材料や装置、システム化技術などの研究を進める。
　半導体は技術進歩に伴い電力消費が桁外れとなっており、利用を含む省エネへの材料や装置、仕組みなどの開発は市場を動かす大きなインパクトになる。さらに、こうしたグリーンニクスを引っ張るイノベーターを大量に育てて優位性を確保したい考えだ。
　３大学は国内有数の半導体研究機関で、豊橋技科大は「エレクトロニクス先端融合研究所」でセンサー技術やナノ技術などの異分野融合の研究にも積極的。半導体装置の設計や製作、評価までを一貫できる「ＬＳＩ工場」では、すべての工程を学べる特徴も生かして先端研究や技術者の育成にも貢献している。
【加藤広宣】