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豊川海軍工廠語り継ぎボランティア養成講座開始

工廠建設前の豊川市の航空写真で説明する平松さん=桜ヶ丘ミュージアムで
工廠建設前の豊川市の航空写真で説明する平松さん=桜ヶ丘ミュージアムで

 豊川市は11日、2018(平成30)年夏の開園を予定する豊川市平和公園(仮称)で、来園者を案内する豊川海軍工廠(しょう)語り継ぎボランティアの初回養成講座を桜ヶ丘ミュージアムで開いた。
 米軍の空襲で2500人以上が亡くなった工廠の悲劇を後世に伝える役目を担おうと、市民ら91人が応募し、初回は46人が受講。市教育委員会生涯学習課の平松弘孝課長補佐が活動内容を説明後、「全国の海軍工廠、豊川海軍工廠の建設と開庁」と題して講演した。
 平松さんは、軍港近隣を中心に国内14カ所にあった海軍工廠を紹介。特に、砲身や弾薬などを製造した山口県光市の光海軍工廠について「工廠前の景色が、豊川海軍工廠正門前のケヤキ並木によく似ている」と写真を比べて説明した。
 また、工廠従事者による手記を基に、豊川海軍工廠が誕生したいきさつを紹介。「建設地となった本野ヶ原は、交通の便の良さや、平地林という土地取得の容易さもあり、決まったことが推測される」とし、近隣住民による嘆願書なども参考に反対運動が展開されたことも明かした。
 そして、工廠前から豊橋方面へつながる南大通や、名古屋方面からの従事者が通勤で利用した現在の名鉄・豊川線、氾濫を防ぐため直線的な流路に変わった佐奈川などを挙げて「現在目にする豊川市の姿は、ほとんどが工廠によって形作られたもの」と強調した。
 ボランティアは、園内に新設される平和交流館(仮称)の展示解説や、園内や周辺の戦争遺跡の解説、工廠従事者の日記の活字化や体験者の手記の目録作成などを担う。
 受講者で、父・喜久男さんが工廠建設に伴う郵便局の拡張で石川県から転勤し、豊川市で生まれた野村公樹さん(70)は「私は工廠の落とし子。豊川のために役に立ちたい。手話をやっているので、聴覚障害者の方にも手話で歴史を伝えたい」と話した。
 講座は月2回、同ミュージアムや工廠跡地を会場に、来年2月まで座学や遺構見学、体験談を聴く会など全10回を予定している。
(由本裕貴)

 豊川市は11日、2018(平成30)年夏の開園を予定する豊川市平和公園(仮称)で、来園者を案内する豊川海軍工廠(しょう)語り継ぎボランティアの初回養成講座を桜ヶ丘ミュージアムで開いた。
 米軍の空襲で2500人以上が亡くなった工廠の悲劇を後世に伝える役目を担おうと、市民ら91人が応募し、初回は46人が受講。市教育委員会生涯学習課の平松弘孝課長補佐が活動内容を説明後、「全国の海軍工廠、豊川海軍工廠の建設と開庁」と題して講演した。
 平松さんは、軍港近隣を中心に国内14カ所にあった海軍工廠を紹介。特に、砲身や弾薬などを製造した山口県光市の光海軍工廠について「工廠前の景色が、豊川海軍工廠正門前のケヤキ並木によく似ている」と写真を比べて説明した。
 また、工廠従事者による手記を基に、豊川海軍工廠が誕生したいきさつを紹介。「建設地となった本野ヶ原は、交通の便の良さや、平地林という土地取得の容易さもあり、決まったことが推測される」とし、近隣住民による嘆願書なども参考に反対運動が展開されたことも明かした。
 そして、工廠前から豊橋方面へつながる南大通や、名古屋方面からの従事者が通勤で利用した現在の名鉄・豊川線、氾濫を防ぐため直線的な流路に変わった佐奈川などを挙げて「現在目にする豊川市の姿は、ほとんどが工廠によって形作られたもの」と強調した。
 ボランティアは、園内に新設される平和交流館(仮称)の展示解説や、園内や周辺の戦争遺跡の解説、工廠従事者の日記の活字化や体験者の手記の目録作成などを担う。
 受講者で、父・喜久男さんが工廠建設に伴う郵便局の拡張で石川県から転勤し、豊川市で生まれた野村公樹さん(70)は「私は工廠の落とし子。豊川のために役に立ちたい。手話をやっているので、聴覚障害者の方にも手話で歴史を伝えたい」と話した。
 講座は月2回、同ミュージアムや工廠跡地を会場に、来年2月まで座学や遺構見学、体験談を聴く会など全10回を予定している。
(由本裕貴)

工廠建設前の豊川市の航空写真で説明する平松さん=桜ヶ丘ミュージアムで
工廠建設前の豊川市の航空写真で説明する平松さん=桜ヶ丘ミュージアムで

カテゴリー:社会・経済

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