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村井弦斎の偉功を知って 豊橋に研究会が発足

「豊橋村井弦斎研究会」の発足会=豊橋調理製菓専門学校で
「豊橋村井弦斎研究会」の発足会=豊橋調理製菓専門学校で
「食道楽」を現代風に再現した夏のメニュー
「食道楽」を現代風に再現した夏のメニュー
料理について解説する鈴木校長
料理について解説する鈴木校長

 豊橋市(旧吉田藩)の出身で明治、大正のベストセラー「食道楽」で知られる村井弦斎(1863~1927年)の偉功を伝えようと、市民有志でつくる「豊橋村井弦斎研究会」が25日、豊橋調理製菓専門学校で発足会を開いた。「食育」の言葉を生んだ弦斎にちなみ、食育を通じて地域へ浸透を図り、来年の生誕160年に偉人伝発刊も計画中だ。
 弦斎の研究や食文化などに関心を寄せる5人で研究会を立ち上げた。2年前から、命日の7月30日と誕生月の1月(旧暦12月)に、再現メニューを楽しむ会を開いて準備を進めてきた。
 この日は役員選任で弦斎について造詣も深い市議の伊藤篤哉さんが会長に、専門学校の鈴木良昌校長が顧問に就いた。
 弦斎は、吉田藩校「時習館」(現県立時習館高校)で教える儒学者の家に生まれた。のちの東京や海外での生活で健康を害した経験から、知育や体育より「食育」の大切さを唱えた。
 「食道楽」は客員だった報知新聞に執筆した連載小説で、単行本は空前のベストセラーを記録した。四季の料理について物語仕立てで紹介し、現代に通じる料理の原型なども数多く登場する。
 この日の発足式では会員のほか飲食店主や食などの研究者らを迎え、食道楽「夏の巻」から現代風にアレンジした料理をふるまった。
 だしで煮びたししたアユの酢煮のほか、ところてんのような細切りの「豆腐そうめん」は酢みそとオクラで楽しむ。旬のトウガンはごま酢であえ、揚げ物の「あじとナスのフエタス」は、黄身と分けた卵白をメレンゲ状にして衣を作った。
 監修した鈴木校長によると「著作はレシピではないので、味を調えたりする作業は料理人の想像力が試される。明治から大正への転換点。現代の食文化に通じる起点をつくり、食育の重要性に早くから気付いた先見性など功績は大きい。郷土の偉人として語り伝えるべきだ」と意義を説く。
 研究会では今後、著書にちなんだイベントなどで弦斎についての周知活動を進める。来年の生誕160年に合わせた偉人伝発刊も計画しており、将来は銅像も建立したいという。
【加藤広宣】

 豊橋市(旧吉田藩)の出身で明治、大正のベストセラー「食道楽」で知られる村井弦斎(1863~1927年)の偉功を伝えようと、市民有志でつくる「豊橋村井弦斎研究会」が25日、豊橋調理製菓専門学校で発足会を開いた。「食育」の言葉を生んだ弦斎にちなみ、食育を通じて地域へ浸透を図り、来年の生誕160年に偉人伝発刊も計画中だ。
 弦斎の研究や食文化などに関心を寄せる5人で研究会を立ち上げた。2年前から、命日の7月30日と誕生月の1月(旧暦12月)に、再現メニューを楽しむ会を開いて準備を進めてきた。
 この日は役員選任で弦斎について造詣も深い市議の伊藤篤哉さんが会長に、専門学校の鈴木良昌校長が顧問に就いた。
 弦斎は、吉田藩校「時習館」(現県立時習館高校)で教える儒学者の家に生まれた。のちの東京や海外での生活で健康を害した経験から、知育や体育より「食育」の大切さを唱えた。
 「食道楽」は客員だった報知新聞に執筆した連載小説で、単行本は空前のベストセラーを記録した。四季の料理について物語仕立てで紹介し、現代に通じる料理の原型なども数多く登場する。
 この日の発足式では会員のほか飲食店主や食などの研究者らを迎え、食道楽「夏の巻」から現代風にアレンジした料理をふるまった。
 だしで煮びたししたアユの酢煮のほか、ところてんのような細切りの「豆腐そうめん」は酢みそとオクラで楽しむ。旬のトウガンはごま酢であえ、揚げ物の「あじとナスのフエタス」は、黄身と分けた卵白をメレンゲ状にして衣を作った。
 監修した鈴木校長によると「著作はレシピではないので、味を調えたりする作業は料理人の想像力が試される。明治から大正への転換点。現代の食文化に通じる起点をつくり、食育の重要性に早くから気付いた先見性など功績は大きい。郷土の偉人として語り伝えるべきだ」と意義を説く。
 研究会では今後、著書にちなんだイベントなどで弦斎についての周知活動を進める。来年の生誕160年に合わせた偉人伝発刊も計画しており、将来は銅像も建立したいという。
【加藤広宣】

「豊橋村井弦斎研究会」の発足会=豊橋調理製菓専門学校で
「豊橋村井弦斎研究会」の発足会=豊橋調理製菓専門学校で
「食道楽」を現代風に再現した夏のメニュー
「食道楽」を現代風に再現した夏のメニュー
料理について解説する鈴木校長
料理について解説する鈴木校長

カテゴリー:社会・経済

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