ドラマ「陸王」豊橋ロケ終了

　「豊橋から陸王を盛り上げていきませんか。見てください！」－。ＴＢＳ系（ＣＢＣ）の日曜劇場で10月15日から始まるドラマ「陸王」の豊橋ロケが終了した24日夕方、出演の若手俳優・竹内涼真さんが市役所前を埋め尽くしたボランティアエキストラの若い女性らに呼び掛けた。共演する若手の山﨑賢人さんが「リク」と投げ掛ければ、会場からあうんの呼吸で「オー」の声。一体感に包まれ、放映を前に早くも女性らの心をつかんだ。
　ロケは豊橋市中心街で22日から始まり、３日間にわたり、道路を使ったマラソンシーンなどドラマ最大の見せ場を撮影。延べ１万人以上のエキストラが参加し、ほの国東三河ロケ応援団や市民、市職員らがバックアップした。
　撮影が終わった24日夕方、市役所２階のテラスに山﨑さん、竹内さんらが笑顔で登場し、手を振ると広場に集まった女性らからは大歓声。２人は撮影への協力に感謝を込めてあいさつし、演出の福澤克雄さんも「このシーンを撮るには豊橋しかなく、いいシーンが撮れました」と報告した。
　佐原光一市長も陸王のＴシャツ姿で並び、ボランティアエキストラや出演者、スタッフ、裏方のボランティアらをねぎらっていた。
　最後に山﨑さんが「熱いドラマです。月曜からのやる気を起こすので、ぜひ１話から見て」と言い、「リク」「オー」で締めくくった。
　この日は早朝から撮影があったが、ボランティアエキストラの女性らも疲れを見せず、山﨑さん、竹内さんらの登場を待った。
　23・24日の２日間、朝早くから参加した地元の高校２年の渡部結梨さん、横山円香さん、宮地真生さんの３人組は「豊橋で撮影するなんてびっくり、豊橋を見直しました。みんなに自慢したいです。せりふも聞けて良かった」と口をそろえた。
　陸王は池井戸潤さんの原作で、老舗足袋業「こはぜ屋」４代目社長が会社の存続をかけてランニングシューズの開発に挑む企業再生ストーリー。ベテラン俳優の役所広司さんらも主演する。
　豊橋ロケは、豊橋市を舞台にした国際大会が設定されたマラソンシーンを撮影するため沿道の観客役などに３０００人以上のボランティアエキストラが必要だった。人気急上昇中の竹内さんらの出演とあって、予想以上の応募があった。
　中心街は大勢のエキストラや見物客らが訪れたことで、ホテル、飲食店もにぎわい、経済効果も出た。
（中村晋也）