イオン豊川店は存続へ

　豊川市八幡地区の大型商業施設イオンモールの進出計画に関する住民説明会が23日夜、桜町地区市民館で初めて行われ、既存のイオン豊川店（開運通２）は存続する意向が示された。22日には市立南部中学校（河原克明校長）で１年生による諏訪地区での街歩き調査の発表があり、モール進出で“諏訪離れ”が懸念される中、複合商業施設プリオなど市中心部の“再生”へＳＮＳも駆使した斬新なアイデアが出た。
　１年生２１０人が４～５人で班をつくり、今月上旬に諏訪地区を探索。街並みを見て気付いた点や、活性化に向けて実現させたい案を練った。
　特にプリオの活性化案が相次いだ。地下１階のフードコートに着目した班は「おしゃべり専用の空間や勉強スペースを作れば、若い人もたくさん来て老若男女でにぎわう」と提案。カフェメニューの充実や外観の新装の他、「エスカレーターや階段を使って流しそうめんを開催する」という珍アイデアも出た。
　プリオに限らず「疲れたサラリーマンを癒やしたい」とマッサージチェア付き居酒屋や、並木に季節ごとに異なる色のイルミネーションを施すという案も。「『インスタ映え』する場所をたくさん作れば、たくさんの人が来る」と、若者に人気のＳＮＳ・インスタグラムへの投稿写真を狙った企画が多く目立った。
　プリオを運営する市開発ビルやすわポン商店会、市職員も訪れ、意見を書き留めた。八幡のスズキ跡地予定地にイオンモール、日立跡地に新文化会館の建設計画が進む中、諏訪地区の空洞化を防ぐ策が求められている。
　市開発ビルの篠原泰三さんは「大人の目線と違い、すごく参考になる。生徒のアイデアが少しでも実現できれば」と、12月のプリオ前のイルミネーションを「インスタ映え」するようにオブジェの配置を工夫させる方針を明かした。

住民説明会で開発本部明らかに

　約１００人出席の住民説明会で、イオンモール開発本部の吉川浩司氏はイオン豊川店について「業態の変更はあるかもしれないが、撤退はせず継続して営業したい」と発言。イオンモールに関しては５階建て約10万平方㍍の売り場面積、約４０００台収容の駐車場とし、出入口用に２つの信号を新設する計画案を示した。
（由本裕貴）