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山口さんがミラノ・コレクションへ動画制作

配信されたダイゴさん編集の動画(提供)
配信されたダイゴさん編集の動画(提供)
ダイゴさんが手掛けた「物語コーポレーション」のPR映像(提供)
ダイゴさんが手掛けた「物語コーポレーション」のPR映像(提供)
sowacaの前に立つダイゴさん=豊橋市松葉町で
sowacaの前に立つダイゴさん=豊橋市松葉町で

 世界的な服飾ブランドの発表会「ミラノ・コレクション」は、新型コロナウイルスの影響で現在、「デジタルファッションウィーク」としてオンライン配信中だ。その中で、豊橋市松葉町のデザイン会社「sowaca(ソワカ)」を経営する山口ダイゴさん(41)が編集制作した「ATSUSHI NAKASHIMA」ブランドのプロモーション動画が27日午後、ネットで放映された。
 動画は10分で、今月10日の収録場所は東京・増上寺。歴史的建造物の背景には、首都のシンボルでもある東京タワーがそびえる環境だ。この境内を「ランウェイ」にして、7人のモデルがブランドをまとって歩く。暴走族の「特攻服」からインスピレーションを得たという刺しゅうをほどこしたトレンチコートやシャツ、パンツ姿。日本画の龍や虎などのイラストが入る。
 BGMには和太鼓の演奏が響いている。クローズアップあり、ドローンを使った俯瞰(ふかん)あり。コンセプトは日本の伝統と西洋文化の融合を表す「和魂洋才」となっている。
 撮り直しのできない撮影で、事前のロケハンのうえで午前4時に集合し、親交のあるプロのカメラマンらが協力、8Kカメラを使って収録した。「増上寺でこのような撮影があったのは初めてではないか」とダイゴさん。1週間かけて編集し、完成させた。「強行軍でした」と振り返る。苦労したのは、自分の個性を抑えて、他人の表現を最大限に魅せることだったという。
 県立豊橋西高校から名古屋ファッション専門学校へ進んだ。同期にいたのが今回のブランドの中島篤さんだった。中島さんは卒業後間もなく、世界的なデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエに認められて渡仏、自身のブランドを立ち上げている。
 一方のダイゴさんは30歳で豊橋市内で起業。デザインの仕事を続けていた。当時はまだ紙媒体が主流の時代。地元では「甲羅」の「赤から」ブランドの販促チラシなどを作ったこともある。
 自身のバンド活動のミュージックビデオを自分で作りたいと、映像制作の勉強を始めた。そして技術を磨き、企業のプロモーションビデオ制作を請け負うようになった。
 地元企業では「物語コーポレーション」のホームページデザインやリクルート用ムービーがある。2016年に「デザイン・オブ・ザ・デー」を受賞した。他にも「広小路コンタクト」「久遠チョコレート」のウェブデザインとPR動画制作を手掛けている。
 経営する「sowaca」を松葉町で設立したのが2016年。1人株式会社だ。般若心経から取った。「成就」という意味。ここから、世界中の人が見る映像を発信している。
 ミラノ・コレクションへの映像制作で、クリエーターの卵たちの励ましになれば、とダイゴさんは話す。「人生は一回きり。自分のやりたいことに情熱をそそげるのは幸せです。若い世代が『ちょっとチャレンジしてみようか』と奮い立ってくれれば」と話した。
【山田一晶】

 世界的な服飾ブランドの発表会「ミラノ・コレクション」は、新型コロナウイルスの影響で現在、「デジタルファッションウィーク」としてオンライン配信中だ。その中で、豊橋市松葉町のデザイン会社「sowaca(ソワカ)」を経営する山口ダイゴさん(41)が編集制作した「ATSUSHI NAKASHIMA」ブランドのプロモーション動画が27日午後、ネットで放映された。
 動画は10分で、今月10日の収録場所は東京・増上寺。歴史的建造物の背景には、首都のシンボルでもある東京タワーがそびえる環境だ。この境内を「ランウェイ」にして、7人のモデルがブランドをまとって歩く。暴走族の「特攻服」からインスピレーションを得たという刺しゅうをほどこしたトレンチコートやシャツ、パンツ姿。日本画の龍や虎などのイラストが入る。
 BGMには和太鼓の演奏が響いている。クローズアップあり、ドローンを使った俯瞰(ふかん)あり。コンセプトは日本の伝統と西洋文化の融合を表す「和魂洋才」となっている。
 撮り直しのできない撮影で、事前のロケハンのうえで午前4時に集合し、親交のあるプロのカメラマンらが協力、8Kカメラを使って収録した。「増上寺でこのような撮影があったのは初めてではないか」とダイゴさん。1週間かけて編集し、完成させた。「強行軍でした」と振り返る。苦労したのは、自分の個性を抑えて、他人の表現を最大限に魅せることだったという。
 県立豊橋西高校から名古屋ファッション専門学校へ進んだ。同期にいたのが今回のブランドの中島篤さんだった。中島さんは卒業後間もなく、世界的なデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエに認められて渡仏、自身のブランドを立ち上げている。
 一方のダイゴさんは30歳で豊橋市内で起業。デザインの仕事を続けていた。当時はまだ紙媒体が主流の時代。地元では「甲羅」の「赤から」ブランドの販促チラシなどを作ったこともある。
 自身のバンド活動のミュージックビデオを自分で作りたいと、映像制作の勉強を始めた。そして技術を磨き、企業のプロモーションビデオ制作を請け負うようになった。
 地元企業では「物語コーポレーション」のホームページデザインやリクルート用ムービーがある。2016年に「デザイン・オブ・ザ・デー」を受賞した。他にも「広小路コンタクト」「久遠チョコレート」のウェブデザインとPR動画制作を手掛けている。
 経営する「sowaca」を松葉町で設立したのが2016年。1人株式会社だ。般若心経から取った。「成就」という意味。ここから、世界中の人が見る映像を発信している。
 ミラノ・コレクションへの映像制作で、クリエーターの卵たちの励ましになれば、とダイゴさんは話す。「人生は一回きり。自分のやりたいことに情熱をそそげるのは幸せです。若い世代が『ちょっとチャレンジしてみようか』と奮い立ってくれれば」と話した。
【山田一晶】

配信されたダイゴさん編集の動画(提供)
配信されたダイゴさん編集の動画(提供)
ダイゴさんが手掛けた「物語コーポレーション」のPR映像(提供)
ダイゴさんが手掛けた「物語コーポレーション」のPR映像(提供)
sowacaの前に立つダイゴさん=豊橋市松葉町で
sowacaの前に立つダイゴさん=豊橋市松葉町で

カテゴリー:社会・経済 / 芸能・文化

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